徒然草
このテキストでは、
徒然草の冒頭「
つれづれなるままに」から始まる部分の原文、現代語訳・口語訳とその解説・品詞分解を記しています。書籍によっては、「徒然草の序文」とするものもあるようです。
※徒然草は
兼好法師によって書かれたとされる随筆です。
清少納言の『
枕草子』、
鴨長明の『
方丈記』と並んで「
古典日本三大随筆」と言われています。
原文
(※1)
つれづれなるままに、日暮らし、硯にむかひて、心に
(※2)うつりゆくよしなしごとを、そこはかとなく書きつくれば、(※3・4)
あやしうこそものぐるほしけれ。
現代語訳(口語訳)
することもなく手持ちぶさたなのにまかせて、一日中、硯に向かって、心の中に浮かんでは消えていくとりとめもないことを、あてもなく書きつけていると、(思わず熱中して)異常なほど、狂ったような気持ちになるものだ。
品詞分解
※名詞は省略しています
つれづれなる | ナリ活用の形容動詞「つれづれなり」の連体形 |
まま | ー |
に、 | 格助詞 |
日暮らし、 | 副詞 |
硯 | ー |
に | 格助詞 |
むかひ | ハ行四段活用「むかふ」の連用形 |
て、 | 接続助詞 |
心 | ー |
に | 格助詞 |
うつりゆく | カ行四段活用・連体形 |
よしなしごと | ー |
を、 | 格助詞 |
そこはかとなく | 形容詞・ク活用・連用形 |
書きつくれ | カ行下二段活用・已然形 |
ば、 | 接続助詞 |
あやしう | 形容詞・シク活用・連用形のウ音便 |
こそ | 係助詞 |
ものぐるほしけれ。 | 形容詞・シク活用・已然形 |
単語・文法解説
(※1)つれづれなる | 形容動詞「つれづれなり」の連体形。することがなく手持ち無沙汰である |
(※2)うつりゆく | 「うつりゆく」の連体形。浮かんでは消えてゆく |
(※3)あやしう | 「あやし」の連用形のウ音便。ここでは「異常である」と訳す |
(※4)あやしうこそものぐるほしけれ | 「こそ」は係助詞、「ものぐるほしけれ」は「ものぐるほし」の已然形。よってここでは係り結びとなっている |