■その沢に、かきつばたいとおもしろく咲きたり。それを見て、ある人のいはく、「かきつばたといふ五文字を、句の上に据ゑて、旅の心を詠め」といひければよめる。
そ | 代名詞 |
の | 格助詞 |
沢 | ー |
に、 | 格助詞 |
かきつばた | ー |
いと | 副詞 |
おもしろく | 形容詞・ク活用・連用形 |
咲き | カ行四段活用・連用形 |
たり。 | 存続の助動詞・終止形 |
それ | 代名詞 |
を | 格助詞 |
見 | マ行上一段活用・連用形 |
て、 | 接続助詞 |
ある | 連体詞 |
人 | ー |
の | 格助詞 |
いはく、 | ハ行四段活用・未然形+接尾語「く」 |
「かきつばた | ー |
と | 格助詞 |
いふ | ハ行四段活用・連体形 |
五文字 | ー |
を、 | 格助詞 |
句 | ー |
の | 格助詞 |
上 | ー |
に | 格助詞 |
据ゑ | ワ行下二段活用・連用形 |
て、 | 接続助詞 |
旅 | ー |
の | 格助詞 |
心 | ー |
を | 格助詞 |
よめ。」 | マ行四段活用・命令形 |
と | 格助詞 |
いひ | ハ行四段活用・連用形 |
けれ | 過去の助動詞・已然形 |
ば | 接続助詞 |
よめ | マ行四段活用・已然形または命令形 |
る。 | 完了の助動詞・連体形 |
■「から衣着つつなれにしつましあればはるばるきぬる旅をしぞ思ふ」と詠めりければ、みな人、餉の上に涙落として、ほとびにけり。
唐衣 | 枕詞 |
着 | カ行上一段活用「きる」の連用形 |
つつ | 接続助詞 |
なれ | ラ行下二段活用「なる」連用形 |
に | 完了の助動詞「ぬ」の連用形 |
し | 過去の助動詞「き」の連体形 |
つま | ー |
し | 強調の副助詞 |
あれ | ラ行変格活用「あり」の已然形 |
ば | 順接確定条件の接続助詞 |
はるばる | 副詞 |
来 | カ行変格活用「く」の連用形 |
ぬる | 完了の助動詞「ぬ」の連体形 |
旅 | ー |
を | 格助詞 |
し | 強調の副助詞 |
ぞ | 強調の係助詞 |
思ふ | ハ行四段活用「おもふ」の連体形 |
と | 格助詞 |
よめ | マ行四段活用・已然形または命令形 |
り | 完了の助動詞・連用形 |
けれ | 過去の助動詞・已然形 |
ば、 | 接続助詞 |
みな人、 | ー |
かひれい | ー |
の | 格助詞 |
上 | ー |
に | 格助詞 |
涙 | ー |
落とし | サ行四段活用・連用形 |
て、 | 接続助詞 |
ほとび | バ行上二段活用・連用形 |
に | 完了の助動詞・連用形 |
けり。 | 過去の助動詞・終止形 |
【「ほとぶ」の意味は?】
※つづく:
「行き行きて、駿河の国にいたりぬ〜」の品詞分解