伊勢物語『通ひ路の関守』
このテキストでは、
伊勢物語の一節『
通ひ路の関守』の品詞分解を記しています。
※現代語訳:
伊勢物語『通ひ路の関守』の現代語訳と解説
※伊勢物語は平安時代初期に書かれた歌物語です。作者は未詳ですが、
在原業平がモデルではないかと言われています。
品詞分解
※名詞は省略しています。
■昔、男ありけり。東の五条わたりに、いと忍びて行きけり。みそかなる所なれば、門よりもえ入らで、童べの踏みあけたる築地のくづれより通ひけり。
昔、 | ー |
男 | ー |
あり | ラ行変格活用・連用形 |
けり | 過去の助動詞・終止形。 |
東 | ー |
の | 格助詞 |
五条 | ー |
わたり | ー |
に | 格助詞、 |
いと | 副詞 |
忍び | バ行上二段活用・連用形 |
て | 接続助詞 |
行き | カ行四段活用・連用形 |
けり | 過去の助動詞・終止形。 |
みそかなる | 形容動詞・ナリ活用・連体形 |
所 | ー |
なれ | 断定の助動詞・已然形 |
ば | 接続助詞、 |
門 | ー |
より | 格助詞 |
も | 係助詞 |
え | 副詞 |
入ら | ラ行四段活用・未然形 |
で | 接続助詞、 |
童べ | ー |
の | 格助詞 |
踏みあけ | カ行下二段活用・連用形 |
たる | 完了の助動詞・連体形 |
築地 | ー |
の | 格助詞 |
くづれ | ー |
より | 格助詞 |
通ひ | ハ行四段活用・連用形 |
けり | 過去の助動詞・終止形。 |
■人しげくもあらねど、たび重なりければ、あるじ聞きつけて、その通ひ路に、夜ごとに人をすゑて守らせければ、行けどもえあはで帰りけり。さて詠める。
人 | ー |
しげく | 形容詞・ク活用・連用形 |
も | 係助詞 |
あら | 補助動詞・ラ行変格活用・未然形 |
ね | 打消の助動詞・已然形 |
ど | 接続助詞、 |
たび | ー |
重なり | ラ行四段活用・連用形 |
けれ | 過去の助動詞・已然形 |
ば | 接続助詞、 |
あるじ | ー |
聞きつけ | カ行下二段活用・連用形 |
て | 接続助詞、 |
そ | 代名詞 |
の | 格助詞 |
通ひ路 | ー |
に | 格助詞、 |
夜ごと | ー |
に | 格助詞 |
人 | ー |
を | 格助詞 |
すゑ | ワ行下二段活用・連用形 |
て | 接続助詞 |
守ら | ラ行四段活用・未然形 |
せ | 使役の助動詞・連用形 |
けれ | 過去の助動詞・已然形 |
ば | 接続助詞、 |
行け | カ行四段活用・已然形 |
ども | 接続助詞 |
え | 副詞 |
あは | ハ行四段活用・未然形 |
で | 接続助詞 |
帰り | ラ行四段活用・連用形 |
けり | 過去の助動詞・終止形。 |
さて | 接続詞 |
詠め | マ行四段活用・已然形 |
る | 完了の助動詞・連体形。 |