『菅原道真の左遷(東風吹かば)』
ここでは、大鏡の「時平」から、「醍醐の帝の御時、この大臣、左大臣の位にて年いと若くておはします〜」から始まる部分の品詞分解をしています。書籍によっては、『菅原道真の左遷』や『東風吹かば』などと題するものもあるようです。
※現代語訳:
大鏡『菅原道真の左遷(東風吹かば)』の現代語訳と解説
※大鏡は平安時代後期に成立したとされる歴史物語です。藤原道長の栄華を中心に、宮廷の歴史が描かれています。
品詞分解
※名詞は省略しています。
■醍醐の帝の御時、この大臣、左大臣の位にて年いと若くておはします。菅原の大臣、右大臣の位にておはします。その折、帝御年いと若くおはします。
醍醐の帝 | ー |
の | 格助詞 |
御時、 | ー |
こ | 代名詞 |
の | 格助詞 |
大臣、 | ー |
左大臣 | ー |
の | 格助詞 |
位 | ー |
に | 断定の助動詞・連用形 |
て | 接続助詞 |
年 | ー |
いと | 副詞 |
若く | 形容詞・ク活用・連用形 |
て | 接続助詞 |
おはします。 | 補助動詞・サ行四段活用・終止形・尊敬語 |
菅原の大臣、 | ー |
右大臣 | ー |
の | 格助詞 |
位 | ー |
に | 断定の助動詞・連用形 |
て | 接続助詞 |
おはします。 | 補助動詞・サ行四段活用・終止形・尊敬語 |
そ | 代名詞 |
の | 格助詞 |
折、 | ー |
帝 | ー |
御年 | ー |
いと | 副詞 |
若く | 形容詞・ク活用・連用形 |
おはします。 | 補助動詞・サ行四段活用・終止形・尊敬語 |
■左右の大臣に世の政を行ふべきよし宣旨下さしめ給へりしに、その折、左大臣、御年二十八、九ばかりなり。右大臣の御年五十七、八にやおはしましけむ。
左右 | ー |
の | 格助詞 |
大臣 | ー |
に | 格助詞 |
世 | ー |
の | 格助詞 |
政 | ー |
を | 格助詞 |
行ふ | ハ行四段活用・終止形 |
べき | 命令の助動詞・連体形 |
よし | ー |
宣旨 | ー |
下さ | サ行四段活用・未然形 |
しめ | 尊敬の助動詞・連用形 |
給へ | 補助動詞・ハ行四段活用・已然形・尊敬語 |
り | 完了の助動詞・連用形 |
し | 過去の助動詞・連体形 |
に、 | 接続助詞 |
そ | 代名詞 |
の | 格助詞 |
折、 | ー |
左大臣、 | ー |
御年二十八、九 | ー |
ばかり | 副助詞 |
なり。 | 断定の助動詞・終止形 |
右大臣 | ー |
の | 格助詞 |
御年五十七、八 | ー |
に | 断定の助動詞・連用形 |
や | 係助詞 |
おはしまし | 補助動詞・サ行四段活用・連用形・尊敬語 |
けむ。 | 過去推量の助動詞・連体形 |
■ともに世の政をせしめ給ひしあひだ、右大臣は才よに優れめでたくおはしまし、御心おきても、ことのほかにかしこくおはします。
ともに | 副詞 |
世 | ー |
の | 格助詞 |
政 | ー |
を | 格助詞 |
せ | サ行変格活用・未然形 |
しめ | 尊敬の助動詞・連用形 |
給ひ | 補助動詞・ハ行四段活用・連用形・尊敬語 |
し | 過去の助動詞・連体形 |
あひだ、 | ー |
右大臣 | ー |
は | 係助詞 |
才 | ー |
世に | 副詞 |
優れ | ラ行下二段活用・連用形 |
めでたく | 形容詞・ク活用・連用形 |
おはしまし、 | 補助動詞・サ行四段活用・連用形・尊敬語 |
御心おきて | ー |
も、 | 係助詞 |
ことのほかに | 形容動詞・ナリ活用・連用形 |
かしこく | 形容詞・ク活用・連用形 |
おはします。 | 補助動詞・サ行四段活用・終止形・尊敬語 |
【菅原道真が左遷された理由とは?】