伊勢物語『東下り(三河国編)』の品詞分解
このテキストでは、
伊勢物語の一節「
東下り(三河国編)」(
昔、男ありけり。その男、身をえうなきものに思ひなして〜)の品詞分解を記しています。
現代語訳
伊勢物語『東下り』(昔、男ありけり〜)の現代語訳と解説
伊勢物語とは
伊勢物語は平安時代初期に書かれた歌物語です。作者は未詳ですが、
在原業平がモデルではないかと言われています。
品詞分解
※名詞は省略しています。
■昔、男ありけり。その男、身をえうなきものに思ひなして、京にはあらじ、東の方に住むべき国求めにとて行きけり。
昔、 | ー |
男 | ー |
あり | ラ行変格活用・連用形 |
けり。 | 過去の助動詞・終止形 |
そ | 代名詞 |
の | 格助詞 |
男、 | ー |
身 | ー |
を | 格助詞 |
えうなき | 形容詞・ク活用・連体形 |
もの | ー |
に | 格助詞 |
思ひなし | サ行四段活用・連用形 |
て、 | 接続助詞 |
「京 | ー |
に | 格助詞 |
は | 係助詞 |
あら | ラ行変格活用・未然形 |
じ、 | 打消意志の助動詞・終止形 |
東 | ー |
の | 格助詞 |
方 | ー |
に | 格助詞 |
住む | マ行四段活用・終止形 |
べき | 適当の助動詞・連体形 |
国 | ー |
求め | マ行下二段活用・連用形 |
に。」 | 格助詞 |
とて | 連語:格助詞「と」+接続助詞「て」 |
行き | カ行四段活用・連用形 |
けり。 | 過去の助動詞・終止形 |
■もとより友とする人、ひとりふたりして、行きけり。道知れる人もなくて惑ひ行きけり。
もとより | 副詞 |
友 | ー |
と | 格助詞 |
する | サ行変格活用・連体形 |
人、 | ー |
ひとりふたり | ー |
して、 | 格助詞 |
いき | カ行四段活用・連用形 |
けり。 | 過去の助動詞・終止形 |
道 | ー |
知れ | ラ行四段活用・已然形または命令形 |
る | 存続の助動詞・連体形 |
人 | ー |
も | 係助詞 |
なく | 形容詞・ク活用・連用形 |
て | 接続助詞 |
惑ひ行き | カ行四段活用・連用形 |
けり。 | 過去の助動詞・終止形 |
■三河の国、八橋といふ所にいたりぬ。そこを八橋といひけるは、水ゆく河の蜘蛛手なれば、橋を八つ渡せるによりてなむ、八橋といひける。
三河の国、 | ー |
八橋 | ー |
と | 格助詞 |
いふ | ハ行四段活用・連体形 |
所 | ー |
に | 格助詞 |
いたり | ラ行四段活用・連用形 |
ぬ。 | 完了の助動詞・終止形 |
そこ | 代名詞 |
を | 格助詞 |
八橋 | ー |
と | 格助詞 |
いひ | ハ行四段活用・連用形 |
ける | 過去の助動詞・連体形 |
は、 | 係助詞 |
水 | ー |
ゆく | カ行四段活用・連体形 |
河 | ー |
の | 格助詞 |
蜘蛛手 | ー |
なれ | 断定の助動詞・已然形 |
ば、 | 接続助詞 |
橋 | ー |
を | 格助詞 |
八つ | ー |
渡せ | サ行四段活用・已然形または命令形 |
る | 存続の助動詞・連体形 |
に | 格助詞 |
より | ラ行四段活用・連用形 |
て | 接続助詞 |
なむ、 | 係助詞 |
八橋 | ー |
と | 格助詞 |
いひ | ハ行四段活用・連用形 |
ける。 | 過去の助動詞・連体形 |
■その沢のほとりの木の陰に下り居て、餉(かれいひ)食ひけり。
そ | 代名詞 |
の | 格助詞 |
沢 | ー |
の | 格助詞 |
ほとり | ー |
の | 格助詞 |
木 | ー |
の | 格助詞 |
陰 | ー |
に | 格助詞 |
下り居 | ワ行上一段活用・連用形 |
て、 | 接続助詞 |
かれいひ | ー |
食ひ | ハ行四段活用・連用形 |
けり。 | 過去の助動詞・終止形 |
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