伊勢物語『渚の院』
このテキストでは、伊勢物語の82段『渚の院』(昔、惟喬親王と申す親王おはしましけり〜)の品詞分解を記しています。
※現代語訳:
伊勢物語『渚の院(昔、惟喬親王と申す親王おはしましけり〜)』の現代語訳と文法解説
※伊勢物語は平安時代初期に書かれた歌物語です。作者は未詳ですが、
在原業平がモデルではないかと言われています。
品詞分解
※名詞は省略しています。
■昔、惟喬親王と申す親王おはしましけり。山崎のあなたに、水無瀬といふ所に、宮ありけり。年ごとの桜の花盛りには、その宮へなむおはしましける。
昔、 | ー |
惟喬親王 | ー |
と | 格助詞 |
申す | サ行四段活用・連体形 |
親王 | ー |
おはしまし | サ行四段活用・連用形 |
けり。 | 過去の助動詞・終止形 |
山崎 | ー |
の | 格助詞 |
あなた | 代名詞 |
に、 | 格助詞 |
水無瀬 | ー |
と | 格助詞 |
いふ | ハ行四段活用・連体形 |
所 | ー |
に、 | 格助詞 |
宮 | ー |
あり | ラ行変格活用・連用形 |
けり。 | 過去の助動詞・終止形 |
年ごと | ー |
の | 格助詞 |
桜 | ー |
の | 格助詞 |
花盛り | ー |
に | 格助詞 |
は、 | 係助詞 |
そ | 代名詞 |
の | 格助詞 |
宮 | ー |
へ | 格助詞 |
なむ | 係助詞 |
おはしまし | サ行四段活用・連用形 |
ける。 | 過去の助動詞・連体形 |
■その時、右馬頭なりける人を、常に率ておはしましけり。時世経て久しくなりにければ、その人の名忘れにけり。
そ | 代名詞 |
の | 格助詞 |
時、 | ー |
右馬頭 | ー |
なり | 断定の助動詞・連用形 |
ける | 過去の助動詞・連体形 |
人 | ー |
を、 | 格助詞 |
常に | 副詞 |
率 | ワ行上一段活用・連用形 |
て | 接続助詞 |
おはしまし | サ行四段活用・連用形 |
けり。 | 過去の助動詞・終止形 |
時世 | ー |
経 | ハ行下二段活用・連用形 |
て | 接続助詞 |
久しく | 形容詞・シク活用・連用形 |
なり | ラ行四段活用・連用形 |
に | 完了の助動詞・連用形 |
けれ | 過去の助動詞・已然形 |
ば、 | 接続助詞 |
そ | 代名詞 |
の | 格助詞 |
人 | ー |
の | 格助詞 |
名 | ー |
忘れ | ラ行下二段活用・連用形 |
に | 完了の助動詞・連用形 |
けり。 | 過去の助動詞・終止形 |
■狩りはねむごろにもせで、酒をのみ飲みつつ、やまと歌にかかれりけり。
狩り | ー |
は | 係助詞 |
ねむごろに | 形容動詞・ナリ活用・連用形 |
も | 係助詞 |
せ | サ行変格活用・未然形 |
で、 | 接続助詞 |
酒 | ー |
を | 格助詞 |
のみ | 副助詞 |
飲み | マ行四段活用・連用形 |
つつ、 | 接続助詞 |
やまと歌 | ー |
に | 格助詞 |
かかれ | ラ行四段活用・命令形 |
り | 存続の助動詞・命令形 |
けり。 | 過去の助動詞・終止形 |