テストに役立つ!伊勢物語『芥川・白玉か』の品詞分解
このテキストでは、
伊勢物語の一節『
芥川』(
昔、男ありけり。女の、え得まじかりけるを〜)の品詞分解を記しています。書籍によっては「
白玉か」と題するものもあるようです。
現代語訳
伊勢物語『芥川(白玉か)』の現代語訳
伊勢物語とは
伊勢物語は平安時代初期に書かれた歌物語です。作者は未詳ですが、
在原業平がモデルではないかと言われています。
品詞分解
※名詞は省略しています。
■昔、男ありけり。女の、え得まじかりけるを、年を経てよばひわたりけるを、辛うじて盗み出でて、いと暗きに来けり。
昔、 | ー |
男 | ー |
あり | ラ行変格活用「あり」の連用形 |
けり。 | 過去の助動詞「けり」の終止形 |
女 | ー |
の、 | 格助詞 |
え | 副詞 |
得 | ア行下二段活用「う」終止形 |
まじかり | 不可能の助動詞「まじ」連用形 |
ける | 過去の助動詞「けり」の連体形 |
を、 | 格助詞 |
年 | ー |
を | 格助詞 |
経 | ハ行下二段活用「ふ」の連用形 |
て | 接続助詞 |
よばひ | ハ行四段活用「よばふ」の連用形 |
わたり | ラ行四段活用「わたる」の連用形 |
ける | 過去の助動詞「けり」の連体形 |
を、 | 接続助詞 |
からうじて | 副詞 |
盗み出で | ダ行下二段活用「ぬすみいづ」の連用形 |
て、 | 接続助詞 |
いと | 副詞 |
暗き | 形容詞・ク活用「くらし」の連体形 |
に | 格助詞 |
来 | カ行変格活用「く」の連用形 |
けり。 | 過去の助動詞「けり」の終止形 |
■芥川といふ河を率て行きければ、草の上に置きたりける露を、「かれは何ぞ。」となむ男に問ひける。
芥川 | ー |
と | 格助詞 |
いふ | ハ行四段活用「いふ」の連体形 |
河 | ー |
を | 格助詞 |
率 | ワ行上一段活用「ゐる」の連用形 |
て | 接続助詞 |
行き | カ行四段活用「いく」の連用形 |
けれ | 過去の助動詞「けり」の已然形 |
ば、 | 接続助詞 |
草 | ー |
の | 格助詞 |
上 | ー |
に | 格助詞 |
置き | カ行四段活用「おく」の連用形 |
たり | 存続の助動詞「たり」の連用形 |
ける | 過去の助動詞「けり」の連体形 |
露 | ー |
を、 | 格助詞 |
「かれ | 代名詞 |
は | 係助詞 |
何 | 代名詞 |
ぞ。」 | 終助詞 |
と | 格助詞 |
なむ | 係助詞 |
男 | ー |
に | 格助詞 |
問ひ | ハ行四段活用「とふ」の連用形 |
ける。 | 過去の助動詞「けり」の連体形 |
■行く先多く、夜も更けにければ、鬼あるところとも知らで、神さへいといみじう鳴り、雨もいたう降りければ、
行く先 | ー |
多く、 | 形容詞・ク活用「おほし」の連用形 |
夜 | ー |
も | 係助詞 |
更け | カ行下二段活用「ふく」の連用形 |
に | 完了の助動詞「ぬ」の連用形 |
けれ | 過去の助動詞「けり」の已然形 |
ば、 | 接続助詞 |
鬼 | ー |
ある | ラ行変格活用「あり」の連体形 |
ところ | ー |
と | 格助詞 |
も | 係助詞 |
知ら | ラ行四段活用「しる」の未然形 |
で、 | 接続助詞 |
神 | ー |
さへ | 副助詞 |
いと | 副詞 |
いみじう | 形容詞・シク活用「いみじ」の連用形「いみじく」のウ音便 |
鳴り、 | ラ行四段活用「なる」の連用形 |
雨 | ー |
も | 係助詞 |
いたう | 形容詞・ク活用「いたし」の連用形「いたく」のウ音便または副詞「いたく」のウ音便 |
降り | ラ行四段活用「ふる」の連用形 |
けれ | 過去の助動詞「けり」の已然形 |
ば、 | 接続助詞 |
■あばらなる蔵に、女をば奥に押し入れて、男、弓・やなぐひを負ひて、戸口にをり。
あばらなる | 形容動詞・ナリ活用「あばらなり」の連体形 |
蔵 | ー |
に、 | 格助詞 |
女 | ー |
を | 格助詞 |
ば | 係助詞 |
奥 | ー |
に | 格助詞 |
おし入れ | ラ行下二段活用「おしいる」の連用形 |
て、 | 接続助詞 |
男、弓・やなぐひ | ー |
を | 格助詞 |
負ひ | ハ行四段活用「おふ」の連用形 |
て、 | 接続助詞 |
戸口 | ー |
に | 格助詞 |
をり。 | ラ行変格活用「をり」の連用形 |
【ちょっと復習「あばらなり」の意味は?】