汎神論に関する基礎知識
汎神論は、存在するということは神であるということと同じだという説、神と宇宙は同じだという説、全ての事物や物事は神の内に存在するという説、です。
汎神論を信じる人は汎神論者と呼ばれます。
汎神論は人間のような性格を持つ神を想定しません。
汎神論の歴史
中世から汎神論的な思想は現われていましたが、ローマのカソリック教会は汎神論的な思想を長らく異端だと考えていました。修道士だったジョルダノ・ブルノは神は無限だという汎神論的な主張を行なったことによって死刑に処されました。
1632年のアムステルダムに生まれた
スピノーザ(通称はスピノザ)は、全ての事物や物事は神の内に存在すると主張して、彼の書いた本は次々に禁書として扱われました。彼が亡くなった1677年に、彼が生前に書いていた
『倫理学 幾何学的な秩序によって証明される』(通称は『エチカ』)が出版されたことによって広まりました。
1697年に数学者だったジョーセフ・ラプソンはスピノーザのその主張を「汎神論(pantheism)」と呼びました。
18世紀のなかばに神学者だったダニエル・ウォーターランドは汎神論を「神と自然、それか、神と宇宙全体が、1つであり同じ実体であると汎神論は考える」と定義しました。
18世紀の後半に、スピノーザの哲学に関して哲学者だったヤコービやメンデルスゾーンは議論しました。それによってスピノーザの汎神論は本格的に広まりました。
19世紀の初めに、汎神論は多くの著述家や哲学者によって注目されました。
20世紀に活躍した物理学者であるアルベルト・アインシュタインは自分が汎神論者だということを仄めかしました。