しのぶ/忍ぶ
このテキストでは、古文単語「
しのぶ/忍ぶ」の意味、活用、解説とその使用例を記している。
「しのぶ」には
①忍ぶ
②
偲ぶ/慕ぶ/賞ぶ
の用法があるが、ここでは①「忍ぶ」について解説をする。
さらに「忍ぶ」には
①バ行上二段活用
②バ行四段活用
の用法があるが、意味はどちらも同じである。中古以降、四段活用が一般的となった。
①バ行上二段活用
未然形 | しのび |
連用形 | しのび |
終止形 | しのぶ |
連体形 | しのぶる |
已然形 | しのぶれ |
命令形 | しのびよ |
■意味1:他動詞
人目につかないように隠す、秘密にする。
[出典]:
若紫・北山の垣間見 源氏物語
「いみじう
忍び給ひければ、知り侍らで...」
[訳]:たいそう
人目につかないように隠れていらっしゃったので、存じませんで...
■意味2:他動詞
こらえる、我慢する、感情を抑えて耐える。
[出典]:帚木 源氏物語
「忍ぶれど、涙こぼれ初めぬれば...」
[訳]:こらえても、涙があふれ始めてしまうので...
②バ行四段段活用
意味はバ行上二段活用のときと同じであるが、バ行四段活用の活用は以下の通り。
未然形 | しのば |
連用形 | しのび |
終止形 | しのぶ |
連体形 | しのぶ |
已然形 | しのべ |
命令形 | しのべ |