宇治拾遺物語『袴垂、保昌に会ふこと』
このテキストでは宇治拾遺物語の中の『袴垂、保昌に会ふこと』の「かやうに、あまたたび、とざまかうざまにするに〜」から始まる部分の品詞分解を行っています。書籍によっては、「袴垂と保昌 」、「袴垂、保昌に合ふ事」と題されているものもあるようです。
※前回のテキスト:
宇治拾遺物語『袴垂、保昌に会ふこと』(昔、袴垂とて、いみじき盗人の大将軍ありけり〜)の品詞分解
※現代語訳:
『袴垂、保昌に会ふこと』の現代語訳と解説
品詞分解
※名詞は省略しています。
■かやうに、あまたたび、とざまかうざまにするに、つゆばかりも騒ぎたる気色なし。希有の人かなと思ひて、十余町ばかり具して行く。
かやうに、 | 形容動詞・ナリ活用・連用形 |
あまたたび、 | 副詞 |
とざまかうざまに | 副詞 |
する | サ行変格活用・連体形 |
に、 | 接続助詞 |
つゆばかり | 副詞 |
も | 係助詞 |
騒ぎ | ガ行四段活用・連用形 |
たる | 存続の助動詞・連体形 |
気色 | ー |
なし。 | 形容詞・ク活用・終止形 |
希有 | ー |
の | 格助詞 |
人 | ー |
かな | 終助詞 |
と | 格助詞 |
思ひ | ハ行四段活用・連用形 |
て、 | 接続助詞 |
十余町 | ー |
ばかり | 副助詞 |
具し | サ行変格活用・連用形 |
て | 接続助詞 |
行く。 | カ行四段活用・終止形 |
■さりとてあらむやはと思ひて、刀を抜きて走りかかりたるときに、そのたび、笛を吹きやみて、立ち返りて、「こは、何者ぞ。」と問ふに、心も失せて、我にもあらで、つい居られぬ。
さりとて | 接続詞 |
あら | ラ行変格活用・未然形 |
む | 意志の助動詞・終止形 |
やは | 係助詞 |
と | 格助詞 |
思ひ | ハ行四段活用・連用形 |
て、 | 接続詞 |
刀 | ー |
を | 格助詞 |
抜き | カ行四段活用・連用形 |
て | 接続助詞 |
走りかかり | ラ行四段活用・連用形 |
たる | 完了の助動詞・連体形 |
とき | ー |
に、 | 格助詞 |
そ | 代名詞 |
の | 格助詞 |
たび、 | ー |
笛 | ー |
を | 格助詞 |
吹きやみ | マ行四段活用・連用形 |
て、 | 接続助詞 |
立ち返り | ラ行四段活用・連用形 |
て、 | 接続助詞 |
「こ | 代名詞 |
は、 | 係助詞 |
何者 | ー |
ぞ。」 | 終助詞 |
と | 格助詞 |
問ふ | ハ行四段活用・連体形 |
に、 | 接続助詞 |
心 | ー |
も | 係助詞 |
失せ | サ行下二段活用・連用形 |
て、 | 接続助詞 |
我 | 代名詞 |
に | 格助詞 |
も | 係助詞 |
あら | ラ行変格活用・未然形 |
で、 | 接続助詞 |
つい居 | ワ行上一段活用・未然形 |
られ | 自発の助動詞・連用形 |
ぬ。 | 完了の助動詞・終止形 |