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徒然草『花は盛りに』(望月の隈なきを千里の外まで〜)わかりやすい現代語訳と解説

著者名: 走るメロス
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徒然草『花は盛りに』

このテキストでは、兼好法師が書いた徒然草の「花は盛りに」の「望月の隈なきを千里の外まで眺めたるよりも〜」から始まる部分の現代語訳・口語訳とその解説をしています。

※前回のテキスト:「花は盛りに、月は隈なきをのみ見るものかは〜」の現代語訳と解説

原文(本文)

望月隈なきを千里の外まで眺めたるよりも、暁近くなりて待ち出でたるが、いと心深う、青みたるやうにて、深き山の杉の梢に見えたる、木の間の影、うちしぐれたるむら雲隠れのほど、またなくあはれなり。椎柴・白樫などのぬれたるやうなる葉の上にきらめきたるこそ、身にしみて、心あらむ友もがなと、都恋しうおぼゆれ。

すべて、月・花をば、さのみ目にて見るものかは。春は家を立ち去らでも、月の夜は閨(ねや)のうちながらも思へるこそ、いとたのもしう、をかしけれよきは、ひとへに好けるさまにも見えず、興ずるさまも等閑(なほざり)なり。片田舎の人こそ、色こく万はもて興ずれ。花の本には、ねぢより立ち寄り、あからめもせずまもりて、酒のみ、連歌して、はては、大きなる枝、心なく折り取りぬ。泉には手・足さしひたして、雪にはおりたちて跡つけなど、万の物、よそながら見る事なし。

現代語訳

満月で曇りのなく照っているものを(はるか遠く)千里まで眺めているよりも、明け方近くになって出てくるのを待っていた(月)のが、とても風情があって、青みがかっているようで、山奥の杉の梢に見えている、木の間(からもれる)の月の光や、時雨を降らせるむら雲に隠れている(月の)様子が、この上もなく趣がある。椎柴や白樫などの葉の上にある露にその光が反射しているのは、とても身にしみて、そんなときに心を通わす友がいてくれたらなぁと、都のことを恋しく思う。

月や花など、すべては、目で見るものだけであろうか、いや違う。「春」は家からでなくても(感じられるし)、秋の月の夜には寝床にいながらでも(月ことを)心に思えることが、たいそう期待させられ趣があるものだ。教養のある人は、むやみに何にでも趣を感じているようにも見えず、趣を楽しんでいる様子もあっさりとしている。田舎者の人は、しつこく何にでも趣を感じようとする。例えば花の本(もと)にじわじわと寄って近寄り、わき見もしないで見つめて、酒を飲んで、連歌をして遊んで、最終的には、大きな枝を、分別もなく折り取ってしまう。池には手や足をつけて、降りたての雪には自分の足跡をつけるなど、あらゆるものを、一歩ひいて見つめるということを(田舎者は)しない。

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