たちよる/立ち寄る
このテキストでは、ラ行四段活用の動詞「
たちよる/立ち寄る」の意味、活用、解説とその使用例を記している。
ラ行四段活用
未然形 | たちよら |
連用形 | たちより |
終止形 | たちよる |
連体形 | たちよる |
已然形 | たちよれ |
命令形 | たちよれ |
■意味1:自動詞
(波が)
打ち寄せる、立って寄せる。
[出典]:賢木 源氏物語
「ありし世の名残だになき浦島に立ち寄る浪のめづらしきかな」
[訳]:過ぎた昔の名残さえないこの浦島に、打ち寄せる波が(来客とは)珍しいことです。
■意味2:自動詞
近寄る、そば近くに来る。
[出典]:
花は盛りに 徒然草
「花の本には、ねぢ寄り
立ち寄り、あからめもせずまもりて...」
[訳]:花の元に、にじり寄って
近寄って、よそ見もしないでじっと見つめて...
■意味3:自動詞
訪れる、ちょっと寄る。
[出典]:須磨 源氏物語
「かく数まへたまひて、立ち寄らせたまへること。」
[訳]:このように(私を)人並みにお扱いくださり、訪れてくださったことです。