こころふかし/心深し
このテキストでは、ク活用の形容詞「
こころふかし/心深し」の意味、活用、解説とその使用例を記している。
形容詞・ク活用
未然形 | こころふかく | こころふかから |
連用形 | こころふかく | こころふかかり |
終止形 | こころふかし | ◯ |
連体形 | こころふかき | こころふかかる |
已然形 | こころふかけれ | ◯ |
命令形 | ◯ | こころふかかれ |
■意味1
考えが深い、思慮深い、思いやりが深い、愛情深い。
[出典]:蜻蛉日記
「心深くもの思ひ知る人にもあれば...」
[訳]:思いやりが深くものの道理をわきまえた人でもあるので...
■意味2
趣が深い、風情がある。
[出典]:
花は盛りに 徒然草
「望月の隈なきを千里の外まで眺めたるよりも、暁近くなりて待ち出でたるが、いと
心深う、青みたるやうにて...」
[訳]:満月で曇りのなく照っているものを(はるか遠く)千里まで眺めているよりも、明け方近くになって出てくるのを待っていた(月)のが、とても
風情があって、青みがかっているようで...
※「心深う」は連用形「心深く」のウ音便。