よそながら/余所ながら
このテキストでは、古文単語「
よそながら/余所ながら」の意味、解説とその使用例を記している。
副詞
■意味1
離れたままで、他の所にいながら。
[出典]:
花は盛りに 徒然草
「片田舎の人こそ、色濃く万はもて興ずれ。花の本には、ねぢ寄り立ち寄り、あからめもせずまもりて、酒のみ、連歌して、はては、大きなる枝、心なく折り取りぬ。泉には手・足さしひたして、雪にはおりたちて跡つけなど、万の物、
よそながら見る事なし。」
[訳]:田舎者の人に限って、しつこく何にでも面白がるものだ。花の元に、にじり寄って近寄って、よそ見もしないでじっと見つめて、酒を飲み連歌をして、最終的には、大きな枝を、分別もなく折り取ってしまう。泉には手や足を浸して、雪には下り立って足跡をつけるなど、あらゆるものを、
離れたままで見るということがない。
■意味2
それとなく、間接的に。
[出典]:手習 源氏物語
「この世には、ありし御さまを、よそながらだに、いつかは見んずる、とうち思ふ...」
[訳]:この世では、以前のお姿を、それとなくでも、いつかは見るときがあるだろうかと、ふと思ったりするのは...