「ながむ/眺む」の意味・活用・使用例【マ行下二段活用】
このテキストでは、マ行下二段活用の動詞「
ながむ/眺む」の意味、活用、解説とその使用例を記している。
「ながむ」には
①眺む
②詠む
などがあるが、ここでは「①眺む」を扱う。
マ行下二段活用
未然形 | ながめ |
連用形 | ながめ |
終止形 | ながむ |
連体形 | ながむる |
已然形 | ながむれ |
命令形 | ながめよ |
■意味1:他動詞
物思いにふけりながらぼんやりと見る。
[出典]:
姨捨 大和物語
「この山の上より、月もいと限りなく明かく出でたるを
ながめて、夜ひと夜、寝も寝られず...」
[訳]:この山の上から、月がたいそうこの上なく明るく出ているのを
物思いにふけりながらぼんやりと見て、一晩中、寝ることもできず...
■意味2:他動詞
物思いにふける。
[出典]:
ゆく蛍 伊勢物語
「暮れがたき夏のひぐらし
ながむればそのこととなくものぞ悲しき」
[訳]:暮れにくい夏の一日中、
物思いにふけっていると、なんとなくもの悲しく感じるものだ
■意味3:他動詞
遠くを見渡す、眺望する、眺める。
[出典]:
絵仏師良秀 宇治拾遺物語
「見れば、すでにわが家に移りて、けぶり・炎くゆりけるまで、おほかた、向かひのつらに立ちて
ながめければ...」
[訳]:見ると、すでに我が家に燃え移っており、煙や火が立ち上ったときまで、総じて、家の向かいに立って(その様子を)
眺めていたので...