よろづ/万
このテキストでは、古文単語「
よろづ/万」の意味、解説とその使用例を記している。
※「よろづ」には、
①名詞
②副詞
の用法がある。
①名詞
■意味1
数の多いこと、種類の多いこと、いろいろ、様々。
[出典]:
竹取物語
「野山にまじりて竹を取りつつ、
よろづのことに使ひけり。」
[訳]:野や山に分け入って竹を取っては、
いろいろなことに用立てたのでした。
■意味2
すべてのこと、あらゆること、万事。
[出典]:徒然草
「人はよろづをさしおきて、ひたふるに徳をつくべきなり。」
[訳]:人はあらゆることをさしおいて、ひたすらに富を身につけるべきだ。
②副詞
■意味
万事につけて。
[出典]:
悲田院の堯蓮上人は 徒然草
「なべて、心やはらかに、情けあるゆゑに、人の言ふほどのこと、けやけくいなび難くて、
よろづ、え言ひ放たず、心弱くこと受けしつ。」
[訳]:(都の人は)一般に心が穏やかで、思いやりがあるために、人が言う(頼む)ぐらいのことは、きっぱりと断わりにくくて、
万事につけて、遠慮なく言うことができないので、気弱く引き受けてしまうのです。