新規登録 ログイン

9_80 ことば / 単語

古文単語「をかし」の意味・解説【形容詞シク活用・名詞】

著者名: 走るメロス
Text_level_1
マイリストに追加
をかし

このテキストでは、シク活用の形容詞「をかし」の意味、活用、解説とその使用例を記しています。

①形容詞・シク活用

未然形をかしくをかしから
連用形をかしくをかしかり
終止形をかし
連体形をかしきをかしかる
已然形をかしけれ
命令形をかしかれ


意味1

趣がある、風情がある

[出典]枕草子 清少納言
「ただ一つ二つなど、ほのかにうち光て行くもをかし。」

[訳]:蛍の一匹や二匹が、かすかに光って飛んでいるのも趣がある


意味2

こっけいだ、笑いたくなる

[出典]:今昔物語
「妻、をかしと思ひて、笑ひてやみにけり。」

[訳]:妻はこっけいだと思って、笑って(夫を責めるのを)やめました。




意味3

興味深い、おもしろい

[出典]:竹取物語
をかしきことにもあるかな。もつともえ知らざりけり。」

[訳]興味深いことである。まったく知らなかったことだ。


意味4

美しい、愛らしい、かわいい、すぐれている、素晴らしい

[出典]源氏物語 紫式部
「けづることをうるさがり給へど、をかしの御髪や。」

[訳]:髪をとかすことをお嫌がりになりますが、美しい御髪ですね。


[出典]:更級日記 菅原孝標女
「笛をいとをかしく吹き澄まして、過ぎぬなり。」

[訳]:笛をとても素晴らしく吹いて、通り過ぎていったようです。


をかしう

「をかしう」は、「をかし」の連用形「をかしく」のウ音便。

「あはれなり/おもしろし」との違い

「風情がある、興味深い」という意味では「をかし/あはれなり/おもしろし」は共通している。しかし、次のような微妙なニュアンスの違いがある。

をかし自分の持っている価値観がある対象と一致したときに感じる感動や情緒を表すあはれなりとは対照的な感情。
あはれなりしみじみと心が動かされるような情緒を表す。をかしとは対照的な感情。
おもしろし目の前が明るくなり、心が晴れやかにはるような感情を表す。


参照:あはれなりの意味
参照:おもしろしの意味

②名詞:犯し

意味

犯した罪

[出典]:源氏物語 紫式部
「命尽きなむとするは、前の世の報いか、この世の犯しか...」

[訳]:今にも命が尽きようとしているのは、前世の報いか、この世で犯した罪のせいか...


Related_title
もっと見る 

Keyword_title

Reference_title
ベネッセ全訳古語辞典 改訂版 Benesse
全訳読解古語辞典 第四版 三省堂

この科目でよく読まれている関連書籍

このテキストを評価してください。

※テキストの内容に関しては、ご自身の責任のもとご判断頂きますようお願い致します。

 

テキストの詳細
 閲覧数 80,947 pt 
 役に立った数 18 pt 
 う〜ん数 9 pt 
 マイリスト数 0 pt 

知りたいことを検索!

まとめ
このテキストのまとめは存在しません。