はじめに
このテキストでは、
古今和歌集で詠まれている「
有明のつれなく見えし別れより 暁ばかり憂きものはなし」という歌について説明していきます。
原文
有明のつれなく見えし別れより暁ばかり憂きものはなし
現代語訳(口語訳)
有明の月がそっけなく見えた。(同じようにある人にも冷たくされた)その冷たくされた人との別れ以来、暁(夜明け前)ほどつらく感じる時間帯はない。
単語
有明の月 | 夜遅くに出て、朝まで残る下弦の月のこと |
つれなく | 「つれなし=連れなし」で、つながりやかかわりがないを意味する。転じて、相手の心の中に自分のことがない状態を表す。有明の月と別れた恋人にかかっている |
暁 | 「あかつき」と読む。夜明け前のまだ暗い時間帯。作者にとって恋人との別れを思い出させるつらいもの |
憂し | つらい、情けない |
品詞分解
※名詞は省略しています。
有明 | ー |
の | 格助詞 |
つれなく | 形容詞・ク活用・連用形 |
見え | ヤ行下二段活用・連用形 |
し | 過去の助動詞・連体形 |
別れ | ー |
より | 格助詞 |
暁 | ー |
ばかり | 副助詞 |
憂き | 形容詞・ク活用・連体形 |
もの | ー |
は | 係助詞 |
なし | 形容詞・ク活用・終止形 |