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古文単語「うちいづ/打ち出づ」の意味・解説【ダ行下二段活用】

著者名: 走るメロス
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うちいづ/打ち出づ

このテキストでは、ダ行下二段活用の動詞「うちいづ/打ち出づ」の意味、活用、解説とその使用例を記している。

ダ行下二段活用

未然形うちいで
連用形うちいで
終止形うちいづ
連体形うちいづる
已然形うちいづれ
命令形うちいでよ


意味1:自動詞

広い所に出る、現れる

[出典]万葉集
「田子の浦ゆうち出でてみれば真白にそ富士の高嶺に雪は降りける 」

[訳]:田子の浦を通って(視界の開けたところまで)出て見ると、真っ白に、富士山の高いところに雪が降り積もっていることだよ。


意味2:自動詞

出陣する、出発する

[出典]:小宰相身投 平家物語
「明日うちいでんとての夜...」

[訳]:明日出陣しようという晩に...




意味3:自動詞

でしゃばる

[出典]久しく隔たりて会ひたる人の 徒然草
「よからぬ人は、たれともなく、あまたの中にうち出でて、 見ることのやうに語りなせば、みな同じく笑ひののしる、いとらうがはし。」

[訳]:教養のない人は、誰に(語る)というわけでもなく、大勢の中に出しゃばって、(あたかも自分が)目にしてきたかのように(おおげさに)語り、(その場にいる)皆も同じように大いに笑うので、ひどく騒がしいです。


意味4:他動詞

火を打って出す、打って音を出す、

[出典]:篝火 源氏物語
「拍子うちいでて忍びやかに歌ふ声、鈴虫にまがひたり。」

[訳]:拍子を打って静かに歌う声は、鈴虫かと聞き間違えるほどであった。




意味5:他動詞

少し出す、出だし衣をする
※「出だし衣」とは、上着の下から下着の裾を少し出して着ること。

[出典]:栄花物語
「衣などもうち出でず、例のやうにもなし。」

[訳]:衣なども出だし衣はせず、いつもの様子ではない。


意味6:他動詞

うちあける、口に出して言う、声をあげて吟じる

[出典]かぐや姫の嘆き 竹取物語
「さのみやはとて、うち出で侍りぬるぞ。」

[訳]:ひたすらそうして(言わずに過ごして)いられようか、いや、いられないと(思い)、うちあけるのでございます。

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ベネッセ全訳古語辞典 改訂版 Benesse
全訳読解古語辞典 第四版 三省堂

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