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土佐日記冒頭『馬のはなむけ・門出』(男もすなる日記といふものを〜) わかりやすい現代語訳と解説

著者名: 走るメロス
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品詞分解

※品詞分解:土佐日記『門出・馬のはなむけ』の品詞分解



単語

(※1)すなるサ行変格活用の終止形「す」+伝聞の助動詞「なり」の連体形。終止形につく「なり」は伝聞の意味となる。
(※2)するなりサ行変格活用の連体形「する」+断定の助動詞「なり」の終止形。連体形につく「なり」は断定の意味となる。
(※3)戌の刻午後8時の前後2時間
(※4)ある人作者は紀貫之であるが、紀貫之は女性のふりをしてこの日記を書いているので、紀貫之のことを第3者の視点から、「ある人」とよんでいる
(※5)県「あがた」と読む
(※6)例のこと決まりごととなっている行事などを指す
(※7)解由国司が交代するときに、引き継ぎが完了したことの証明として、新任者が後任者に渡す公文書のこと
(※8)馬のはなむけ馬に乗って陸路で旅をする人の無事を祈願するイベントだが、ここでは船旅なのに馬のはなむけを行っているという点にユーモアがある
(※9)上中下身分の上・中・下を意味する
(※10)あざる「魚肉が腐る」と「ふざけあう」の意味があるが、ここではこの2つの意味をかけて使っている。






備考

この土佐日記は、日記ではあるのですが、すべてが事実ではなく日記調の文学作品というスタイルで物語が進んでいきます。この当時は男性は漢字で、女性は仮名文字で文章を書くというのが主流でした。また男性の書き物は公的な文書が、女性の書き物は私的な感情をつめたものが多い時代でもありました。

ところが、この土佐日記は男性(紀貫之)が書いたにもかかわらず、仮名文字で書かれています。理由ははっきりしませんが、私的な感情をこめた日記を書きたかったがために、「男もすなる日記といふものを、女もしてみむ」と、あえて女性と偽ったのではないかとも言われています。また、もともと紀貫之は歌人で、仮名文字を使うことに抵抗がなかったとも言われています。





さて、この日記は、紀貫之が国司として勤めていた土佐(いまの高知県)をはなれるところからスタートします。長い間はなれていた京都を思う気持ちや、土佐で亡くなった娘への思い、道中での出来事などをユーモアを交えて書いてありますが、あくまでも主人公を第3者の視点でみているということをおさえておきましょう。



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土佐日記『馬のはなむけ』テストで出題されそうな問題


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著者情報:走るメロスはこんな人

学生時代より古典の魅力に取り憑かれ、社会人になった今でも休日には古典を読み漁ける古典好き。特に1000年以上前の文化や風俗をうかがい知ることができる平安時代文学がお気に入り。作成したテキストの総ページビュー数は1,6億回を超える。好きなフレーズは「頃は二月(にうゎんがつ)」や「月日は百代の過客(くゎかく)にして」といった癖のあるやつ。早稲田大学卒業。
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『教科書 精選国語総合』 東京書籍
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佐竹昭広、前田金五郎、大野晋 編1990 『岩波古語辞典 補訂版』 岩波書店

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