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和泉式部日記『薫る香に』(夢よりもはかなき世の中を〜)の品詞分解

著者名: 走るメロス
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和泉式部日記『薫る香に』

このテキストでは、和泉式部日記の一節『薫る香に』の「夢よりもはかなき世の中を〜」から始まる部分の品詞分解を記しています。





和泉式部日記とは

和泉式部日記は、平安時代を代表する歌人和泉式部(いずみしきぶ)によって書かれた女流日記文学です。


品詞分解

※名詞は省略しています。

夢よりもはかなき世の中を嘆きわびつつ明かし暮らすほどに、四月十余日にもなりぬれば、木の下暗がりもてゆく。

より格助詞
係助詞
はかなき形容詞・ク活用・連体形
世の中
を、格助詞
嘆きわびバ行上二段活用・連用形
つつ接続助詞
明かし暮らすサ行四段活用・連体形
ほど
に、格助詞
四月十余日
格助詞
係助詞
なりラ行四段活用・連用形
ぬれ完了の助動詞・已然形
ば、接続助詞
木の下
暗がりラ行四段活用・連用形
もてゆく。カ行四段活用・終止形



築地の上の草青やかなるも、人はことに目もとどめぬを、あはれとながむるほどに、近き透垣のもとに人のけはひのすれば、誰ならむと思ふほどに、故宮に候ひし小舎人童なりけり。

築地
格助詞
格助詞
青やかなる形容動詞・ナリ活用・連体形
も、係助詞
係助詞
ことに副詞
係助詞
とどめマ行下二段活用・未然形
打消の助動詞・連体形
を、接続助詞
あはれ形容動詞・ナリ活用の語幹
格助詞
ながむるマ行下二段活用・連体形
ほど
に、格助詞
近き形容詞・ク活用・連体形
透垣
格助詞
もと
格助詞
格助詞
けはひ
すれサ行変格活用・已然形
ば、接続助詞
なら断定の助動詞・未然形
推量の助動詞・連体形
格助詞
思ふハ行四段活用・連体形
ほど
に、格助詞
故宮
格助詞
候ひハ行四段活用・連用形
過去の助動詞・連体形
小舎人童
なり断定の助動詞・連用形
けり。詠嘆の助動詞・終止形



あはれにもののおぼゆるほどに来たれば、「などか久しう見えざりつる。遠ざかる昔の名残にも思ふを。」など言はすれば、

あはれに形容動詞・ナリ活用・連用形
もの
格助詞
おぼゆるヤ行下二段活用・連体形
ほど
格助詞
カ行変格活用・連用形
たれ完了の助動詞・已然形
ば、接続助詞
「などか副詞
久しく形容詞・シク活用・連用形
見えヤ行下二段活用・未然形
ざり打消の助動詞・連用形
つる。完了の助動詞・連体形
遠ざかるカ行四段活用・連体形
格助詞
名残
格助詞
係助詞
思ふハ行四段活用・連体形
を。」間投助詞
など副助詞
言はハ行四段活用・未然形
すれ使役の助動詞・已然形
ば、接続助詞



「そのことと候はでは、なれなれしきさまにやと、つつましう候ふうちに、日ごろは山寺にまかりありきてなむ。

「そ代名詞
格助詞
こと
格助詞
候はハ行四段活用・未然形
接続助詞
は、係助詞
なれなれしき形容詞・シク活用・連体形
さま
断定の助動詞・連用形
係助詞
と、格助詞
つつましう形容詞・シク活用・連用形のウ音便
候ふ補助動詞・ハ行四段活用・連体形
うち
に、格助詞
日ごろ
係助詞
山寺
格助詞
まかりありきカ行四段活用・連用形
接続助詞
なむ。係助詞



いと頼りなく、つれづれに思ひたまうらるれば、御代はりにも見たてまつらむとてなむ、帥宮に参りて候ふ。」と語る。

いと副詞
頼り
なく、形容詞・ク活用・連用形
つれづれにナリ活用の形容動詞「つれづれなり」の連用形
思ひハ行四段活用・連用形
たまう補助動詞・ハ行下二段活用・連用形のウ音便
らるれ自発の助動詞・已然形
ば、接続助詞
御代はり
格助詞
係助詞
マ行上一段活用・連用形
奉ら補助動詞・ラ行四段活用・未然形
意志の助動詞・終止形
とて格助詞
なむ、係助詞
帥宮
格助詞
参りラ行四段活用・連用形
接続助詞
候ふ。」ハ行四段活用・連体形
格助詞
語る。ラ行四段活用・終止形


【「つれづれなり」の意味は?】

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『教科書 精選古典B』大修館
佐竹昭広、前田金五郎、大野晋 編1990 『岩波古語辞典 補訂版』 岩波書店

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