やうやう/漸う
このテキストでは、古文単語「
やうやう/漸う/やうやく/漸く」の意味、解説とその使用例を記しています。
「やうやう/漸う」は「やうやく/漸く」のウ音便である。
副詞
■意味1
だんだん、次第に。
[出典]:
枕草子 清少納言
「春はあけぼの。
やうやう白くなりゆく山際、少し明かりて、紫だちたる雲の細くたなびきたる。」
[訳]:春は夜がほのぼのと明けようとする頃(が良い)。(日が昇るにつれて)
だんだんと白んでいく、山際の辺りがいくらか明るくなって、紫がかっている雲が横に長く引いている様子が良い。
■意味2
そろそろと。
[出典]:源氏物語 紫式部
「こなたにて御菓物参りなどしたまへど、やうやう見巡らして、母君の見えぬを求めて...」
[訳]:こちらで果物を召し上がったりなさいますが、そろそろと(辺りを)見回して、母君が見えないのを探し求めて...
■意味3
やっとのことで、かろうじて。
[出典]:奥の細道 松尾芭蕉
「その日、やうやう草加といふ宿にたどり着きにけり。」
[訳]:その日、やっとのことで草加という宿にたどり着いたのでした。