和泉式部日記『薫る香に』
このテキストでは、
和泉式部日記の一節『
薫る香に』の「
まだ端におはしましけるに〜」から始まる部分の品詞分解を記しています。
※前回のテキスト:
「夢よりもはかなき世の中を〜」の品詞分解
品詞分解
※名詞は省略しています。
■まだ端におはしましけるに、この童隠れの方に気色ばみけるけはひを、御覧じつけて、「いかに。」と問はせ給ふに、
まだ | 副詞 |
端 | ー |
に | 格助詞 |
おはしまし | サ行四段活用・連用形 |
ける | 過去の助動詞・連体形 |
に、 | 格助詞 |
こ | 代名詞 |
の | 格助詞 |
童、 | ー |
隠れ | ー |
の | 格助詞 |
方 | ー |
に | 格助詞 |
気色ばみ | マ行四段活用・連用形 |
ける | 過去の助動詞・連体形 |
けはひ | ー |
を | 格助詞 |
御覧じつけ | カ行下二段活用・連用形 |
て、 | 接続助詞 |
「いかに | 副詞。」 |
と | 格助詞 |
問は | ハ行四段活用・未然形 |
せ | 尊敬の助動詞・連用形 |
給ふ | 補助動詞・ハ行四段活用・連体形 |
に、 | 接続助詞 |
■御文(ふみ)をさし出でたれば、御覧じて、「同じ枝に鳴きつつをりしほととぎす 声は変わらぬものと知らずや」と書かせ給ひて、賜ふとて、
御文 | ー |
を | 格助詞 |
さし出で | ダ行下二段活用・連用形 |
たれ | 完了の助動詞・已然形 |
ば、 | 接続助詞 |
御覧じ | サ行変格活用・連用形 |
て、 | 接続助詞 |
「同じ | 形容詞・シク活用・連体形 |
枝 | ー |
に | 格助詞 |
鳴き | カ行四段活用・連用形 |
つつ | 接続助詞 |
をり | ラ行変格活用・連用形 |
し | 過去の助動詞・連体形 |
ほととぎす | ー |
声 | ー |
は | 係助詞 |
変はら | ラ行四段活用・未然形 |
ぬ | 打消の助動詞・連体形 |
もの | ー |
と | 格助詞 |
知ら | ラ行四段活用・未然形 |
ず | 打消の助動詞・終止形 |
や」 | 係助詞 |
と | 格助詞 |
書か | カ行四段活用・未然形 |
せ | 尊敬の助動詞・連用形 |
給ひ | 補助動詞・ハ行四段活用・連用形 |
て、 | 接続助詞 |
賜ふ | ハ行四段活用・終止形 |
とて、 | 格助詞 |
■「かかること、ゆめ人に言ふな。すきがましきやうなり。」とて、入らせ給ひぬ。もて来たれば、をかしと見れど、常はとて御返り聞こえさせず。
「かかる | ラ行変格活用・連体形 |
こと、 | ー |
ゆめ | 副詞 |
人 | ー |
に | 格助詞 |
言ふ | ハ行四段活用・終止形 |
な。 | 終助詞 |
すきがましき | 形容詞・シク活用・連体形 |
やう | ー |
なり。」 | 断定の助動詞・終止形 |
とて、 | 格助詞 |
入ら | ラ行四段活用・未然形 |
せ | 尊敬の助動詞・連用形 |
給ひ | 補助動詞・ハ行四段活用・連用形 |
ぬ。 | 完了の助動詞・終止形 |
もて来 | カ行変格活用・連用形 |
たれ | 完了の助動詞・已然形 |
ば、 | 接続助詞 |
をかし | 形容詞・シク活用・終止形 |
と | 格助詞 |
見れ | マ行上一段活用・已然形 |
ど、 | 接続助詞 |
常 | ー |
は | 係助詞 |
とて | 格助詞 |
御返り | ー |
聞こえさせ | サ行下二段活用・未然形 |
ず。 | 打消の助動詞・終止形 |