manapedia
更新日時:
伊勢物語『東下り・すみだ河』(なほ行き行きて、武蔵の国と〜)のわかりやすい現代語訳と解説
著作名: 走るメロス
449,871 views
伊勢物語『東下り(すみだ河編)』

このテキストでは、伊勢物語の9段「東下り・隅田川」の「なほ行き行きて、武蔵の国と下総の国との中に〜」から始まる部分の現代語訳と解説をしています。伊勢物語は平安時代初期に書かれた歌物語です。作者は未詳ですが、在原業平がモデルではないかと言われています。



※参照:三河国編「昔、男ありけり。その男〜」の現代語訳

※参照:駿河編「行き行きて、駿河の国にいたりぬ〜」の現代語訳

原文(本文)

なほ行き行きて、武蔵の国と下総の国との中に、いと大きなるあり。それをすみだ河といふ。その河のほとりに(※1)むれゐて、思ひやれ(※2)かぎりなく遠くも来にけるかなと、わびあへるに、渡守、
はや舟に乗れ。日も暮れぬ。」

といふに、乗りて渡らむとするに、皆人(※3)ものわびしくて、京に、思ふ人なきにしもあらず。さるをりしも、白き鳥の、嘴と脚と赤き、鴫の大きさなる、水の上に遊びつつ魚を食ふ。京には見えぬ鳥なれば、皆人見知らず。



(※4)渡守に問ひければ、
「これなむ都鳥」

といふを聞きて、
名にし負はば いざ言問はむ 都鳥 わが思ふ人は ありなしやと

歌の解説

よめりければ、舟こぞりて泣きにけり。

ALT


現代語訳(口語訳)

さらに進んで行くと、武蔵の国と下総の国の間に、たいそう大きな川があります。それを隅田川と言います。その川のほとりで群がり座って、(都へと)はるかに思いをはせると、果てしなく遠くまできたものだなあと、(皆で)一緒に気弱になっているところ、川の渡し舟の船頭が、


「はやく船に乗れ。日も暮れてしまう。」

と言うので、(船に)乗って渡ろうとするのですが、皆なんとなく悲しくて、都に恋しく思う人がないわけではないのです。そんな折も折、白い鳥で、くちばしと脚が赤い、鴨ぐらいの大きさであるのが、水面を気ままに動きまわりながら魚を食べています。都では目にしない鳥なので、皆(この鳥のことを)知りません。船頭に尋ねてみると
「これは都鳥だ。」

と言うのを聞いて、(男が)
「都」という名を持っているのなら、(都の事情に詳しいであろうから)さあ尋ねよう、都鳥よ。私が恋い慕う人は無事でいるのかいないのかと。

歌の解説

と詠んだので、船に乗っている人は一人残らず泣いてしまいました。。

次ページ:品詞分解・単語とテストに出題されそうな問題


1ページ
前ページ
1/2
次ページ


このテキストを評価してください。
役に立った
う~ん・・・
※テキストの内容に関しては、ご自身の責任のもとご判断頂きますようお願い致します。