■またの夜は、夜の御殿に参らせ給ひぬ。夜中ばかりに、廊に出でて人よべば、「下るるか。いで、送らむ。」とのたまへば、
| また | 副詞 |
| の | 格助詞 |
| 夜 | ー |
| は、 | 係助詞 |
| 夜の御殿 | ー |
| に | 格助詞 |
| 参ら | ラ行四段活用・未然形 |
| せ | 尊敬の助動詞・連用形 |
| 給ひ | 補助動詞・ハ行四段活用・連用形・尊敬語 |
| ぬ。 | 完了の助動詞・終止形 |
| 夜中 | ー |
| ばかり | 副助詞 |
| に、 | 格助詞 |
| 廊 | ー |
| に | 格助詞 |
| 出で | ダ行下二段活用・連用形 |
| て | 接続助詞 |
| 人 | ー |
| よべ | バ行四段活用・已然形 |
| ば、 | 接続助詞 |
| 「下るる | ラ行上二段活用・連体形 |
| か。 | 係助詞 |
| いで、 | 感動詞 |
| 送ら | ラ行四段活用・未然形 |
| む。」 | 意思の助動詞・終止形 |
| と | 格助詞 |
| のたまへ | ハ行四段活用・已然形 |
| ば、 | 接続助詞 |
■裳、唐衣は屏風にうちかけていくに、月のいみじう明かく、御直衣のいと白う見ゆるに、指貫を長う踏みしだきて、袖をひかへて、「倒るな。」と言ひて、おはするままに、
| 裳、唐衣 | ー |
| は | 係助詞 |
| 屏風 | ー |
| に | 格助詞 |
| うちかけ | カ行下二段活用・連用形 |
| て | 接続助詞 |
| いく | カ行四段活用・連体形 |
| に、 | 接続助詞 |
| 月 | ー |
| の | 格助詞 |
| いみじう | 形容詞・シク活用・連用形のウ音便 |
| 明かく、 | 形容詞・ク活用・連用形 |
| 御直衣 | ー |
| の | 格助詞 |
| いと | 副詞 |
| 白う | 形容詞・ク活用・連用形のウ音便 |
| 見ゆる | ヤ行下二段活用・連体形 |
| に、 | 接続助詞 |
| 指貫 | ー |
| を | 格助詞 |
| 長う | 形容詞・ク活用・連用形のウ音便 |
| 踏みしだき | カ行四段活用・連用形 |
| て、 | 接続助詞 |
| 袖 | ー |
| を | 格助詞 |
| ひかへ | ハ行下二段活用・連用形 |
| て、 | 接続助詞 |
| 「倒る | ラ行下二段活用・終止形 |
| な。」 | 終助詞 |
| と | 格助詞 |
| 言ひ | ハ行四段活用・連用形 |
| て、 | 接続助詞 |
| おはする | サ行変格活用・連体形 |
| まま | ー |
| に、 | 格助詞 |
■「游子、なほ残りの月に行く。」と誦し給へる、またいみじうめでたし。「かやうの事、めで給ふ。」とては笑ひ給へど、いかでか、なほをかしきものをば。
| 「游子、 | ー |
| なほ | 副詞 |
| 残り | ー |
| の | 格助詞 |
| 月 | ー |
| に | 格助詞 |
| 行く。」 | カ行四段活用・終止形 |
| と | 格助詞 |
| 誦し | サ行変格活用・連用形 |
| 給へ | 補助動詞・ハ行四段活用・已然形・尊敬語 |
| る、 | 完了の助動詞・連体形 |
| また | 副詞 |
| いみじう | 形容詞・シク活用・連用形・ウ音便 |
| めでたし。 | 形容詞・ク活用・終止形 |
| 「かやう | 形容動詞・ナリ活用の語幹 |
| の | 格助詞 |
| 事、 | ー |
| めで | ダ行下二段活用・連用形 |
| 給ふ。」 | 補助動詞・ハ行四段活用・終止形・尊敬語 |
| と | 格助詞 |
| て | 接続助詞 |
| は | 係助詞 |
| 笑ひ | ハ行四段活用・連用形 |
| 給へ | 補助動詞・ハ行四段活用・已然形・尊敬語 |
| ど、 | 接続助詞 |
| いかで | 副詞 |
| か、 | 係助詞 |
| なほ | 副詞 |
| をかしき | 係助詞・シク活用・連体形 |
| もの | ー |
| を | 格助詞 |
| ば | 係助詞。 |
【「誦ず」の意味は?】
※現代語訳:
『大納言殿参り給ひて』のわかりやすい現代語訳と解説
関連テキスト
・枕草子『
春はあけぼの』
・枕草子『
宮に初めて参りたるころ』
・枕草子『
二月つごもりごろに』
・枕草子『
うつくしきもの』
・枕草子『
雪のいと高う降りたるを』
・枕草子『
九月ばかり』
・枕草子『
ありがたきもの』
・枕草子『
はしたなきもの』
・枕草子『
すさまじきもの』
・枕草子『
中納言殿参り給ひて』
・枕草子『
大納言殿参り給ひて』
著者情報:走るメロスはこんな人
学生時代より古典の魅力に取り憑かれ、社会人になった今でも休日には古典を読み漁ける古典好き。特に1000年以上前の文化や風俗をうかがい知ることができる平安時代文学がお気に入り。作成したテキストの総ページビュー数は1,6億回を超える。好きなフレーズは「頃は二月(にうゎんがつ)」や「月日は百代の過客(くゎかく)にして」といった癖のあるやつ。早稲田大学卒業。