『大納言殿参り給ひて』
このテキストこでは、
清少納言が書いた
枕草子の一節「大納言殿参り給ひて」の品詞分解を記しています。
※現代語訳:
『大納言殿参り給ひて』のわかりやすい現代語訳と解説
※清少納言は平安時代中期の作家・歌人です。一条天皇の皇后であった中宮定子に仕えました。そして枕草子は、兼好法師の『徒然草』、鴨長明の『方丈記』と並んで「古典日本三大随筆」と言われています。
品詞分解
※名詞は省略しています。
■大納言殿参り給ひて、文のことなど奏し給ふに、例の、夜いたくふけぬれば、御前なる人々、一人二人づつ失せて、御屏風・御几帳のうしろなどにみな隠れふしぬれば、
大納言殿 | ー |
参り | ラ行四段活用・連用形 |
給ひ | 補助動詞・ハ行四段活用・連用形・尊敬語 |
て、 | 接続助詞 |
文 | ー |
の | 格助詞 |
こと | ー |
など | 副助詞 |
奏し | サ行変格活用・連用形・尊敬語 |
給ふ | 補助動詞・ハ行四段活用・連体形・尊敬語 |
に、 | 格助詞 |
例 | ー |
の、 | 格助詞 |
夜 | ー |
いたく | 形容詞・ク活用・連用形 |
ふけ | カ行下二段活用・連用形 |
ぬれ | 完了の助動詞・已然形 |
ば、 | 接続助詞 |
御前 | ー |
なる | 存在の助動詞・連体形 |
人々、 | ー |
一人二人づつ | ー |
失せ | サ行下二段活用・連用形 |
て、 | 接続助詞 |
御屏風・御几帳 | ー |
の | 格助詞 |
うしろ | ー |
など | 副助詞 |
に | 格助詞 |
みな | ー |
隠れふし | サ行四段活用・連用形 |
ぬれ | 完了の助動詞・已然形 |
ば、 | 接続助詞 |
■ただ一人、眠たきを念じて候ふに、「丑四つ。」と奏すなり。「明け侍りぬなり。」と独りごつを、大納言殿、「いまさらに、な、大殿籠りおはしましそ。」とて、寝べきものとも思いたらぬを、
ただ | 副詞 |
一人、 | ー |
眠たき | 形容詞・ク活用・連体形 |
を | 格助詞 |
念じ | サ行変格活用・連用形 |
て | 接続助詞 |
候ふ | ハ行四段活用・連体形 |
に、 | 接続助詞 |
「丑四つ。」 | ー |
と | 格助詞 |
奏す | サ行変格活用・終止形 |
なり。 | 推定の助動詞・終止形 |
「明け | カ行下二段活用・連用形 |
侍り | 補助動詞・ラ行変格活用・連用形・丁寧語 |
ぬ | 完了の助動詞・終止形 |
なり。」 | 推定の助動詞・終止形 |
と | 格助詞 |
独りごつ | タ行四段活用・連体形 |
を、 | 接続助詞 |
大納言殿、 | ー |
「いまさらに、 | 形容動詞・ナリ活用・連用形 |
な、 | 副詞 |
大殿籠り | ラ行四段活用・連用形 |
おはしまし | 補助動詞・サ行四段活用・連用形・尊敬語 |
そ。」 | 終助詞 |
と | 格助詞 |
て、 | 接続助詞 |
寝 | ナ行下二段活用・終止形 |
べき | 当然の助動詞・連体形 |
もの | ー |
と | 格助詞 |
も | 係助詞 |
思い | ハ行四段活用・連用形のウ音便 |
たら | 存続の助動詞・未然形 |
ぬ | 打消の助動詞・連体形 |
を、 | 接続助詞 |
■「うたて、なにしにさ申しつらむ。」と思へど、また人のあらばこそは紛れも臥さめ。
「うたて、 | 形容詞・ク活用の語幹 |
なにしに | 副詞 |
さ | 副詞 |
申し | サ行四段活用・連用形 |
つ | 強意の助動詞・終止形 |
らむ。」 | 現在推量の助動詞・連体形 |
と | 格助詞 |
思へ | ハ行四段活用・已然形 |
ど、 | 接続助詞 |
また | 副詞 |
人 | ー |
の | 格助詞 |
あら | ラ行変格活用・未然形 |
ば | 係助詞 |
こそ | 係助詞 |
は | 係助詞 |
紛れ | ラ行変格活用下二段活用・連用形 |
も | 係助詞 |
臥さ | サ行四段活用・未然形 |
め。 | 推量の助動詞・已然形 |
【世界史受験対策】インダス文明と諸王朝(カースト制、マウリヤ朝、クシャーナ朝、仏教成立など)について解説