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17_80 第二次世界大戦後の日本と世界 / 高度成長の時代

【岸信介と安保改定、池田勇人と所得倍増計画、佐藤栄作と公害対策、沖縄返還】 受験日本史まとめ 86

著者名: Cogito
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長期保守政権と経済成長

鳩山内閣退陣後、自由民主党総裁の地位を石橋湛山岸信介が争いました。新総裁となった石橋湛山は、1956年(昭和31年)12月に組閣しましたが、病に倒れ、翌年2月に岸信介に内閣を譲りました。岸信介は、戦前の東條内閣で閣僚を務めたため、戦後A級戦犯となり、その後不起訴・釈放・追放解除という経歴の持ち主でした。岸は、日米安全保障条約の対米従属性を改めようと、1958年(昭和33年)から安全保障条約改定に着手しました。

この旧安全保障条約の問題点は以下でした。

(1)アメリカの日本防衛義務が明示されていない。
(2)条約の期限が明示されていない。
(3)在日アメリカ軍の行動範囲と目的について、その行動範囲とされる「極東」の定義がなされていない。
(4)日本の国内紛争に対して、アメリカ軍の介入を認める内乱条項が含まれていた。

岸内閣は、安保改定による国内の混乱を事前に予想し、1958年(昭和33年)警察官の権限強化を規定した警察官職務執行法(警職法)を国会に提出しましたが、この法案は審議未了・廃案となりました。この岸の政治手法は、「保守」と「革新」の対立を際立たせ、社会党・共産党などの革新陣営は、安保改定により日本が再びアメリカの戦争に巻き込まれると主張しました。

1960年(昭和35年)1月、岸はワシントンで日米相互協力及び安全保障条約(新安保条約)・日米地位協定に調印しました。その内容は以下でした。

(1)日米経済協力と日本の防衛力強化の協調。
(2)アメリカの日本防衛義務を明記。
(3)在日アメリカ軍の行動に関する事前協議制を確認。
(4)条約期限を10年、その後自動延長により継続。

この新安保条約は、旧安保条約の不備を補い、アメリカと対等な条約を締結しようとしたものでした。

この岸の条約調印に対し、革新団体や各学生団体など134団体は、安保改定阻止国民会議に結集しました。1960年(昭和35年)5月19日、岸内閣は新安保条約批准について強行採決し、1ヶ月後の自然成立を狙いました。こうした岸内閣の強硬姿勢により、安保阻止国民会議や全学連(全日本学生自治会総連合)の学生らが連日国会を取り巻き、安保闘争が起こりました。新安保条約は参議院の議決を経ずに、6月19日に自然成立し、その責任を負う形で岸内閣は総辞職しました。また予定されていたアイゼンハウアー大統領の訪日も中心となりました。

池田勇人内閣

1960年(昭和35年)7月、首相を継いだのが池田勇人でした。池田内閣は、革新勢力と対立した前内閣と異なり、「寛容と忍耐」をスローガンに経済政策を重視しました。池田内閣は「所得倍増計画」を閣議決定し、10年で実質国民所得をほぼ2倍にする目標を掲げました。当時の経済成長の予測で、この倍増計画は不可能な数字ではなかったため、実際にこの数値を上回りました。所得を2倍にするというわかりやすいスローガンは国民を一つにまとめ、同年11月に行われた選挙では、自民党296議席、社会党145議席を獲得し、55年体制が維持されました。

また、池田内閣は政経分離の方針を掲げ、中華人民共和国との貿易を拡大し、貿易自由化を推進しました。当時の日本は、台湾の中華民国を唯一の中国政府と認めていましたが、1962年(昭和37年)中華人民共和国との間に、準政府間貿易であるLT貿易を開始しました。

1963年(昭和38年)、日本はGATT12条国から、貿易の自由化を原則とする11条国に移行し、翌1964年(昭和39年)には、IMF14条国から為替の自由化を原則とする8条国に移行しました。この8条国への移行により、日本は世界から為替面で保護される必要のない国家であると認められ、1965年(昭和40年)OECD(経済協力開発機構)へも加盟し、先進国の仲間入りを果たしました。

こうした池田政権の姿勢は、1964年(昭和39年)の東京オリンピック開催に伴う高速道路網整備や東海道新幹線の開通などにつながり、日本は経済成長を続け、国際政治の場で発言力を増していきました。

1964年(昭和39年)11月に、池田から後任の自民党総裁に指名された佐藤栄作は、3次にわたり内閣を組織し、戦前・戦後を通じて最長の7年8ヶ月におよぶ長期政権となりました。佐藤内閣は、1965年(昭和40年)に日韓基本条約を調印しまし、国内では同年郊外審議会を設置し、1967年(昭和42年)に公害対策基本法を制定し、1971年(昭和46年)の環境庁設置へとつながっていきました。
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『詳説日本史』 山川出版社
『日本史用語集』 山川出版社

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