枕草子『中納言参りたまひて』(中納言参りたまひて、御扇奉らせたまふに)の品詞分解・敬語向きなど

このテキストでは、『枕草子』の一節「中納言参りたまひて」(中納言参りたまひて、御扇奉らせたまふに～)の品詞分解を記しています。






枕草子『中納言参りたまひて』わかりやすい現代語訳と解説



枕草子は清少納言によって書かれたとされる随筆です。清少納言は平安時代中期の作家・歌人で、一条天皇の皇后であった中宮定子に仕えました。ちなみに枕草子は、兼好法師の『徒然草』、鴨長明の『方丈記』と並んで「古典日本三大随筆」と言われています。



※名詞は省略しています。

中納言	ー	ー
参り	ラ行四段活用「まゐる」の連用形・謙譲語	作者→中宮
たまひ	尊敬の補助動詞・ハ行四段活用「たまふ」の連用形	作者→中納言
て、	接続助詞	ー
御扇	ー	ー
奉らせ	サ行下二段活用「たてまつらす」の連用形・謙譲語	作者→中宮
(※別解釈)奉ら	ラ行四段活用「たてまつる」の未然形	作者→中宮
(※別解釈)せ	尊敬の助動詞「す」の連用形	作者→中納言
たまふ	尊敬の補助動詞・ハ行四段活用「たまふ」の連体形	作者→中納言
に、	格助詞	ー
「隆家	ー	ー
こそ	係助詞	ー
いみじき	形容詞・シク活用「いみじ」の連体形	ー
骨	ー	ー
は	係助詞	ー
得	ア行下二段活用「う」の連用形	ー
て	接続助詞	ー
はべれ。	丁寧の補助動詞・ラ行変格活用「はべり」の已然形	中納言→中宮
それ	代名詞	ー
を	格助詞	ー
張ら	ラ行四段活用「はる」の未然形	ー
せ	使役の助動詞「す」の連用形	ー
て	接続助詞	ー
参らせ	サ行下二段活用「まゐらす」の未然形・謙譲語	中納言→中宮
む	意志の助動詞「む」の終止形	ー
と	格助詞	ー
する	サ行変格活用「す」の連体形	ー
に、	接続助詞	ー
おぼろけ	ナリ活用の形容動詞「おぼろけなり」の語幹	ー
の	格助詞	ー
紙	ー	ー
は	係助詞	ー
え	副詞	ー
張る	ラ行四段活用「はる」の終止形	ー
まじけれ	不可能の助動詞「まじけれ」の已然形	ー
ば、	接続助詞	ー
求め	マ行下二段活用「もとむ」の連用形	ー
はべる	丁寧の補助動詞・ラ行変格活用「はべり」の連体形	中納言→中宮
なり。」	断定の助動詞「なり」の終止形	ー
と	格助詞	ー
申し	サ行四段活用「まうす」の連用形・謙譲語	作者→中宮
たまふ。	尊敬の補助動詞・ハ行四段活用「たまふ」の終止形	作者→中納言

「いかやうに	ナリ活用の形容動詞「いかやうなり」の連用形	ー
か	係助詞	ー
ある。」	ラ行変格活用「あり」の連体形	ー
と	格助詞	ー
問ひ	ハ行四段活用「とふ」の連用形	ー
聞こえ	謙譲の補助動詞・ヤ行下二段活用「きこゆ」の未然形	作者→中納言
させ	尊敬の助動詞「さす」の連用形	作者→中宮
たまへ	尊敬の補助動詞・ハ行四段活用「たまふ」の已然形	作者→中宮
ば、	接続助詞	ー
「すべて	副詞	ー
いみじう	シク活用の形容詞「いみじ」の連用形のウ音便	ー
はべり。	丁寧の補助動詞・ラ行変格活用「はべり」の終止形	中納言→中宮
『さらに	副詞	ー
まだ	副詞	ー
見	マ行上一段活用「みる」の未然形	ー
ぬ	打消の助動詞「ず」の連体形	ー
骨	ー	ー
の	格助詞	ー
さま	ー	ー
なり。』	断定の助動詞「なり」の終止形	ー
と	格助詞	ー
なむ	係助詞	ー
人々	ー	ー
申す。	サ行四段活用「まうす」の連体形・謙譲語（意味は丁寧）	中納言→中宮
まことに	副詞	ー
かばかり	副詞	ー
の	格助詞	ー
は	係助詞	ー
見え	ヤ行下二段活用「みゆ」の未然形	ー
ざり	打消の助動詞「ず」の連用形	ー
つ。」	完了の助動詞「つ」の終止形	ー

【ちょっと復習「かばかり」の意味は？】