テスト対策に役立つ!土佐日記「帰京」の品詞分解
このテキストでは、
土佐日記の一節「
帰京」(
京に入り立ちてうれし〜)の品詞分解を記しています。書籍によっては「
夜ふけて来れば、所々も見えず」から始まるものを「帰京」と題するものもあります。
現代語訳
土佐日記『帰京』わかりやすい現代語訳と解説
土佐日記とは
土佐日記は平安時代に成立した日記文学です。日本の歴史上おそらく最初の日記文学とされています。作者である
紀貫之が、赴任先の土佐から京へと戻る最中の出来事をつづった作品です。
※
紀貫之は、柿本人麻呂や小野小町らとともに
三十六歌仙に数えられた平安前期の歌人です。『
古今和歌集』の撰者、『新撰和歌』(新撰和歌集とも)の編者としても知られています。
品詞分解
※名詞は省略しています。
■京に入り立ちてうれし。家に至りて、門に入るに、月明かければ、いとよくありさま見ゆ。聞きしよりもまして、言ふかひなくぞこぼれ破れたる。
京 | ー |
に | 格助詞 |
入り立ち | タ行四段活用「いりたつ」の連用形 |
て | 接続助詞 |
うれし。 | シク活用の形容詞「うれし」の終止形 |
家 | ー |
に | 格助詞 |
至り | ラ行四段活用「いたる」の連用形 |
て、 | 接続助詞 |
門 | ー |
に | 格助詞 |
入る | ラ行四段活用「いる」の連体形 |
に、 | 接続助詞 |
月 | ー |
明かけれ | ク活用の形容詞「あかし」の已然形 |
ば、 | 接続助詞 |
いと | 副詞 |
よく | ク活用の形容詞「よし」の連用形 |
ありさま | ー |
見ゆ。 | ヤ行下二段活用「みゆ」の終止形 |
聞き | カ行四段活用「きく」の連用形 |
し | 過去の助動詞「き」の連体形 |
より | 格助詞 |
も | 係助詞 |
まし | サ行四段活用「ます」の連用形 |
て、 | 接続助詞 |
言ふかひなく | ク活用の形容詞「いふかひなし」の連用形 |
ぞ | 係助詞 |
こぼれ | ラ行下二段活用「こぼる」の連用形 |
破れ | ラ行下二段活用「やぶる」の連用形 |
たる。 | 存続の助動詞「たり」の連体形 |
■家に預けたりつる人の心も、荒れたるなりけり。中垣こそあれ、一つ家のやうなれば、望みて預かれるなり。さるは、便りごとに物も絶えず得させたり。
家 | ー |
に | 格助詞 |
預け | カ行下二段活用「あづく」の連用形 |
たり | 存続の助動詞「たり」の連用形 |
つる | 完了の助動詞「つ」の連体形 |
人 | ー |
の | 格助詞 |
心 | ー |
も、 | 係助詞 |
荒れ | ラ行下二段活用「ある」の連用形 |
たる | 存続の助動詞「たり」の連体形 |
なり | 断定の助動詞「なり」の連用形 |
けり。 | 詠嘆の助動詞「けり」の終止形 |
中垣 | ー |
こそ | 係助詞 |
あれ、 | ラ行変格活用「あり」の已然形 |
一つ家 | ー |
の | 格助詞 |
やうなれ | 比況の助動詞「やうなり」の已然形 |
ば、 | 接続助詞 |
望み | マ行四段活用「のぞむ」の連用形 |
て | 接続助詞 |
預かれ | ラ行四段活用「あづかる」の已然形 |
る | 完了の助動詞「り」の連体形 |
なり。 | 断定の助動詞「なり」の終止形 |
さるは、 | 接続詞 |
便りごと | 名詞+接尾語 |
に | 格助詞 |
物 | ー |
も | 係助詞 |
絶えず | 副詞 |
得 | ア行下二段活用「う」の未然形 |
させ | 使役の助動詞「さす」の連用形 |
たり。 | 完了/存続の助動詞「たり」の終止形 |
■今宵、「かかること。」と、声高にものも言はせず。いとはつらく見ゆれど、こころざしはせむとす。
今宵、 | ー |
「かかる | ラ行変格活用「かかり」の連体形 |
こと。」 | ー |
と、 | 格助詞 |
声高に | ナリ活用の形容動詞「こわだかなり」の連用形 |
もの | ー |
も | 係助詞 |
言は | ハ行四段活用「いふ」の未然形 |
せ | 使役の助動詞「す」の未然形 |
ず。 | 打消の助動詞「ず」の終止形 |
いと | 副詞 |
は | 係助詞 |
つらく | ク活用の形容詞「つらし」の連用形 |
見ゆれ | ヤ行下二段活用「みゆ」の已然形 |
ど、 | 接続助詞 |
こころざし | ー |
は | 係助詞 |
せ | サ行変格活用「す」の未然形 |
む | 意志の助動詞「む」の終止形 |
と | 格助詞 |
す。 | サ行変格活用「す」の終止形 |
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