『鹿柴』
このテキストでは、中国の詩人「 王維」が詠んだ漢詩『 鹿柴』の原文(白文)、書き下し文、現代語訳(口語訳)とその解説(五言絶句・押韻など)を記しています。
白文(原文)
空山不見人
但聞人語響
返景入深林
復照青苔上
書き下し文
空山人を見ず
但人語の響きを聞くのみ
(または、"但だ聞く人語の響くを")
返景深林に入り
復た照らす青苔の上
現代語訳
空山人を見ず
人気のない寂しい山には、人の姿は見えず
但人語の響きを聞くのみ
ただどこからか人の声が響いてくるだけだ。
返景深林に入り
夕日の光が深い林の中に差し込んできて
復た照らす青苔の上
また青苔の上を照らしている。
単語解説
鹿柴 | 鹿柴とは、鹿を囲うための柵を意味しますが、ここでは王維の別荘があった地名を指します |
空山 | 人気のないひっそりとした山 |
返景 | 夕日の光 |
復照青苔上 | 「太陽が上るときにその光が青苔を差していたが、そのときと同じように夕日もまた青苔を差している」というニュアンス |
■次ページ:五言絶句・押韻・対句の有無など
|
|
|
|
鎌田正、米山寅太郎 著 2011 『新漢語林 第二版』大修館書店 |
『教科書 高等学校 標準 古典B 漢文編』 第一学習社 |
『教科書 高等学校 古典B 漢文編』 三省堂 |
この科目でよく読まれている関連書籍
|
|
|