「いとすごく霧りわたりたる」の現代語訳・口語訳・意味・品詞分解
原文
年ごろ遊び慣れつる所を、
あらはにこほち散らして、日の
入り際の、いと
すごく霧り渡りたるに、車に乗るとて
うち見やりたれば...
現代語訳・口語訳・意味
ここ数年遊びなれた家を、丸見えになるほど乱雑に壊して、日がちょうど沈むときで、
とても物寂しく霧が一面にたちこめているときに、牛車に乗るということで(家の方に)目を向けたところ...
品詞分解
| いと | 副詞 |
| すごく | ク活用の形容詞「すごし」の連用形 |
| 霧り渡り | ラ行四段活用「きりわたる」の連用形 |
| たる | 存続の助動詞「たり」の連体形 |
主な出典
【更級日記「門出・あこがれ」】
年ごろ遊び慣れつる所を、あらはにこほち散らして、立ち騒ぎて、日の入り際の、いとすごく霧り渡りたるに、車に乗るとてうち見やりたれば、ひとまには参りつつ額をつきし薬師仏の立ちたまへるを、見捨てたてまつる悲しくて、人知れずうち泣かれぬ。