としごろ/年頃/年来/年比
このテキストでは、古文単語「
としごろ/年頃/年来/年比」の意味、解説とその使用例を記している。
「としごろ」には、
①名詞
②副詞
としての用法がある。
①名詞
「としごろ+の・に・より・も」または「〜の+としごろ」の形であれば名詞。
■意味1
長年、ここ数年。
[出典]:故殿の御ために 枕草子
「かばかり年ごろになりぬる得意の、疎くてやむはなし。」
[訳]:このように長年(の付き合い)になった親友(との関係)は、疎遠なままで終わることはない。
[出典]:
葵・物の怪の出現 源氏物語
「
年ごろ、よろづに思ひ残すことなく過ぐしつれど...」
[訳]:
長年、いろいろと思いを残すことなく過ごしてきましたが...
■意味2
年格好、年配。
[出典]:三人法師 御伽草子
「その中に年ごろ四十二、三ばかりなる僧の...」
[訳]:その中に、年格好が四十二、三歳ほどである僧で...
②副詞
直接、動詞を修飾しているのをみて副詞と判断する。
■意味
ここ数年、長年。
[出典]:
門出・東路の道の果て 更級日記
「
年ごろ遊び慣れつる所を、あらはにこほち散らして...」
[訳]:
ここ数年遊びなれた家を、丸見えになるほど乱雑に壊して...