源氏物語『若菜上』
ここでは、源氏物語の『若菜上』の章から、「かの紫のゆかり」から始まる部分の現代語訳(口語訳)とその解説をしています。
原文
かの紫のゆかり尋ね取り給へりし折思し出づるに、
「かれはされて言ふかひありしを、これは、いといはけなくのみ見え給へば、よかめり、憎げにおし立ちたることなどはあるまじかめり。」
と思すものから、
「いとあまりものの栄えなき御さまかな。」
と見たてまつり給ふ。
つづき
「三日がほどは夜離れなく〜」の現代語訳・口語訳と解説
現代語訳
(光源氏は)あの紫の上を探し出しなさったときをお思い出しなさると、
「あの人(紫の上)は気が利いて話のしがいがあったが、これ(女三の宮)は、たいそう子供っぽくのみお見えにいらっしゃるので、よいであろう、憎らしく強引に振る舞うこともあるまい。」
とお思いになる一方、
「あまりぱっとしないご様子だ。」
と拝見なさいます。
つづき
「三日がほどは夜離れなく〜」の現代語訳・口語訳と解説
品詞分解
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「若菜上(かの紫のゆかり〜)」の品詞分解
単語・文法解説
されて | ラ行下二段活用「さる」の連用形。気が利く |
いはけなく | 形容詞「いはけなし」の連用形。子供っぽい |
おし立ち | タ行四段活用「おし立つ」の連用形。強引に振る舞う |
あるまじかめり | ある(ラ行変格活用・連体形)+まじか(打消推量の助動詞・連体形・撥音便の省略)+めり(推量の助動詞・終止形) |