更級日記『門出(東路の道の果て・あこがれ)』の品詞分解
このテキストでは、
更級日記の一節『
門出』(
東路の道の果てよりも、なほ奥つ方に生ひ出でたる人、いかばかりかはあやしかりけむを〜)の品詞分解を記しています。書籍によっては「
東路の道の果て」や「
あこがれ」などと題されるものもあるようです。
※現代語訳:
更級日記『門出・東路の道の果て』の現代語訳
更級日記とは
更級日記は平安中期に書かれた回想録です。作者である
菅原孝標女の人生の回想を通して、平安時代の人々の動向をうかがい知ることができる文学作品です。
品詞分解
※名詞は省略しています。
■東路の道の果てよりも、なほ奥つ方に生ひ出でたる人、いかばかりかはあやしかりけむを、いかに思ひ始めけることにか、世の中に物語といふもののあんなるを、いかで見ばやと思ひつつ、
東路 | ー |
の | 格助詞 |
道 | ー |
の | 格助詞 |
果て | ー |
より | 格助詞 |
も、 | 係助詞 |
なほ | 副詞 |
奥つ方 | ー |
に | 格助詞 |
生ひ出で | ダ行下二段活用「おひいづ」の連用形 |
たる | 完了の助動詞「たり」の連体形 |
人、 | ー |
いかばかり | 副詞 |
かは | 係助詞 |
あやしかり | シク活用の形容詞「あやし」の連用形 |
けむ | 過去推量の助動詞「けむ」の連体形 |
を、 | 接続助詞 |
いかに | 副詞 |
思ひ始め | マ行下二段活用「おもひはじむ」の連用形 |
ける | 過去の助動詞「けり」の連体形 |
こと | ー |
に | 断定の助動詞「なり」の連用形 |
か、 | 係助詞 |
世の中 | ー |
に | 格助詞 |
物語 | ー |
と | 格助詞 |
いふ | ハ行四段活用「いふ」の連体形 |
もの | ー |
の | 格助詞 |
あん | ラ行変格活用「あり」の連体形「ある」の撥音便 |
なる | 伝聞の助動詞「なり」の連体形 |
を、 | 格助詞 |
いかで | 副詞 |
見 | マ行上一段活用「みる」の未然形 |
ばや | 終助詞 |
と | 格助詞 |
思ひ | ハ行四段活用「おもふ」の連用形 |
つつ、 | 接続助詞 |
■つれづれなる昼間、よひゐなどに、姉、継母などやうの人々の、その物語、かの物語、光源氏のあるやうなど、ところどころ語るを聞くに、
つれづれなる | ナリ活用の形容動詞「つれづれなり」の連体形 |
昼間、 | ー |
よひゐ | ー |
など | 副助詞 |
に、 | 格助詞 |
姉、継母 | ー |
など | 副助詞 |
やう | ー |
の | 格助詞 |
人々 | ー |
の、 | 格助詞 |
そ | 代名詞 |
の | 格助詞 |
物語、 | ー |
か | 代名詞 |
の | 格助詞 |
物語、 | ー |
光源氏 | ー |
の | 格助詞 |
ある | ラ行変格活用「あり」の連体形 |
やう | ー |
など、 | 副助詞 |
ところどころ | ー |
語る | ラ行四段活用「かたる」の連体形 |
を | 格助詞 |
聞く | カ行四段活用「きく」の連体形 |
に、 | 接続助詞 |
■いとどゆかしさまされど、わが思ふままに、そらにいかでかおぼえ語らむ。
いとど | 副詞 |
ゆかしさ | ー |
まされ | ラ行四段活用「まさる」の已然形 |
ど、 | 接続助詞 |
わ | 代名詞 |
が | 格助詞 |
思ふ | ハ行四段活用「おもふ」の連体形 |
まま | ー |
に、 | 格助詞 |
そらに | ナリ活用の形容動詞「そらなり」の連用形 |
いかで | 副詞 |
か | 係助詞 |
おぼえ語ら | ラ行四段活用「おぼえかたる」の未然形 |
む。 | 推量の助動詞「む」の連体形 |
【ちょっと復習「そらなり」の意味は?】