「こころぼそげなり/心細げなり」の意味・活用・使用例【形容動詞ナリ活用】
このテキストでは、ナリ活用の形容動詞「
こころぼそげなり/心細げなり」の意味、活用、解説とその使用例を記している。
形容動詞・ナリ活用
未然形 | こころぼそげなら | ◯ |
連用形 | こころぼそげなり | こころぼそげに |
終止形 | こころぼそげなり | ◯ |
連体形 | こころぼそげなる | ◯ |
已然形 | こころぼそげなれ | ◯ |
命令形 | こころぼそげなれ | ◯ |
■意味1
いかにも心細そうだ。
[出典]:若紫 源氏物語
「いと近ければ、心細げなる御声絶え絶え聞こえて...」
[訳]:(源氏の部屋に)大変近いので、いかにも心細そうなお声がとぎれとぎれ聞こえてきて...
■意味2
物寂しい。
[出典]:
須磨 源氏物語
「ほのかに、ただ小さき鳥の浮かべると見やらるるも、
心細げなるに...」
[訳]:かすかに、ただ小さい鳥が浮かんでいるように見られるのも、
もの寂しい感じがして...
備考
「なんとなく」を意味する接頭語「もの」をつけて「もの心細げなり」の形で使われることがある。その場合の活用は以下のとおりである。
未然形 | ものこころぼそげなら | ◯ |
連用形 | ものこころぼそげなり | ものこころぼそげに |
終止形 | ものこころぼそげなり | ◯ |
連体形 | ものこころぼそげなる | ◯ |
已然形 | ものこころぼそげなれ | ◯ |
命令形 | ものこころぼそげなれ | ◯ |
■意味1
なんとなく心細そうだ。
[出典]:
桐壷 源氏物語
「いと篤しくなりゆき、
もの心細げに里がちなるを...」
[訳]:たいへん病気がちになり、
なんとなく心細そうに実家に帰っていることが多いのを...