源氏物語『橋姫・薫と宇治の姫君』
ここでは、源氏物語の『橋姫』の章から、「近くなるほどに、その琴とも聞き分かれぬ物の音ども〜」から始まる部分の品詞分解をしています。書籍によっては、「薫と宇治の姫君」と題するものもあるようです。
前回のテキスト
「秋の末つ方〜」の品詞分解
現代語訳はこちら
「近くなるほどに〜」の現代語訳と解説
品詞分解
※名詞は省略しています。
近く(形容詞・ク活用・連用形)
なる(ラ行四段活用・連体形)
ほど
に(格助詞)、
そ(代名詞)
の(格助詞)
琴
と(格助詞)
も(係助詞)
聞き分か(カ行四段活用・未然形)
れ(可能の助動詞・未然形)
ぬ(打消の助動詞・連体形)
物
の(格助詞)
音ども、
いと(副詞)
すごげに(形容動詞・ナリ活用・連用形)
聞こゆ(ヤ行下二段活用・終止形)。
「常に(副詞)
かく(副詞)
遊び(バ行四段活用・連用形)
給ふ(尊敬の補助動詞・ハ行四段活用・終止形)
と(格助詞)
聞く(カ行四段活用・連体形)
を(接続助詞)、
ついで
なく(形容詞・ク活用・連用形)
て(接続助詞)、
宮
の(格助詞)
御琴
の(格助詞)
音
の(格助詞)
名高き(形容詞・ク活用・連体形)
も(係助詞)、
え(副詞)
聞か(カ行四段活用・未然形)
ぬ(打消の助動詞・連体形)
ぞかし(連語:係助詞「ぞ」+終助詞「かし」)。
よき(形容詞・ク活用・連体形)
折
なる(断定の助動詞・連体形)
べし(推量の助動詞・終止形)。」
と(格助詞)、
思ひ(ハ行四段活用・連用形)
つつ(接続助詞)
入り(ラ行四段活用・連用形)
給へ(尊敬の補助動詞・ハ行四段活用・已然形)
ば(接続助詞)、
琵琶
の(格助詞)
声
の(格助詞)
響き
なり(断定の助動詞・連用形)
けり(過去の助動詞・終止形)。
「黄鐘調」
に(格助詞)
調べ(バ行下二段活用・連用形)
て(接続助詞)、
世
の(格助詞)
常
の(格助詞)
掻き合はせ
なれ(断定の助動詞・已然形)
ど(接続助詞)、
所から
に(断定の助動詞・連用形)
や(係助詞)、
耳馴れ(ラ行下二段活用・未然形)
ぬ(打消の助動詞・連体形)
心地
し(サ行変格活用・連用形)
て(接続助詞)、
掻き返す(サ行四段活用・連体形)
撥
の(格助詞)
音
も(係助詞)、
もの清げに(形容動詞・ナリ活用・連用形)
おもしろし(形容詞・ク活用・終止形)。
箏
の(格助詞)
琴、
あはれに(形容動詞・ナリ活用・連用形)
なまめい(カ行四段活用・連用形のイ音便)
たる(完了の助動詞・連体形)
声
し(サ行変格活用・連用形)
て(接続助詞)、
絶え絶え(副詞)
聞こゆ(ヤ行下二段活用・終止形)。