はかる/計る/測る/量る
「はかる」には
①計る/測る/量る
②図る/諮る/議る
③
謀る/企る
などがあるが、ここでは「①計る/測る/量る」について扱う。
ラ行四段活用
未然形 | はから |
連用形 | はかり |
終止形 | はかる |
連体形 | はかる |
已然形 | はかれ |
命令形 | はかれ |
■意味1:他動詞
(広さ・長さ・重さなどを)
測定する、計量する。
[出典]:願書 平家物語
「たとへば、嬰児の貝をもって、巨海をはかり...」
[訳]:たとえるならば、幼児が貝殻で、大海の水の量を測定し...
■意味2:他動詞
推量する、推し量る、推察する。
[出典]:
久しく隔たりて会ひたる人の 徒然草
「をかしきことを言ひてもいたく興ぜぬと、興なきことを言ひてもよく笑ふにぞ、品のほど
計られぬべき。」
[訳]:情緒深いことを言ってもそれほどおもしろがることもなく、おもしろくないことを言ってもよく笑うというのは、(その人の)品格を
推し量ることができるでしょう。
■意味3:他動詞
予測する、予想する。
[出典]:
世に従はん人は 徒然草
「ただし、病をうけ、子産み、死ぬる事のみ、機嫌を
はからず、ついで悪しとて止むことなし。」
[訳]:しかしながら、病気にかかる、子どもを産む、死ぬことだけは、時機を
予測せずに(やってきて)、物事の順序がよくないからといって(それらが)治まることはありません。
■意味4:他動詞
見計らう。
[出典]:
筑紫に、なにがしの押領使 徒然草
「ある時、館の内に人もなかりける隙を
はかりて、敵襲ひ来たりて、囲み攻めけるに...」
[訳]:あるとき、(押領使が勤務する)館の中に人のいなかった隙に
見計らって、敵が襲ってきて、(館を)取り囲んで攻めたときに...