かいやる/掻い遣る
このテキストでは、ラ行四段活用の動詞「
かいやる/掻い遣る」の意味、活用、解説とその使用例を記している。
※「
かきやる」のイ音便から生じた言葉。
ラ行四段活用
未然形 | かいやら |
連用形 | かいやり |
終止形 | かいやる |
連体形 | かいやる |
已然形 | かいやれ |
命令形 | かいやれ |
■意味1:他動詞
手で払いのける、かき上げる。
[出典]:
若葉・北山の垣間見 源氏物語
「面つきいとらうたげにて、眉のわたりうちけぶり、いはけなく
かいやりたる額つき、髪ざし、いみじううつくし。」
[訳]:顔つきがたいそうかわいらしく、眉のあたりがほんのりと美しく見え、あどけなく(髪を)
かき上げた額の様子、髪の生え具合が、たいそうかわいらしいです。
■意味2:他動詞
押しやる、与える。
[出典]:好色五人女 井原西鶴
「引き結びてかいやりたまひしを...」
[訳]:(代筆した恋文を)結び文にしてお与えになったのを...