伊勢物語『武蔵鐙』
このテキストでは、
伊勢物語の第13段『
武蔵鐙』(昔、武蔵なるをとこ、京なる女のもとに〜)の品詞分解を記しています。
※伊勢物語は平安時代初期に書かれた歌物語です。作者は未詳ですが、
在原業平がモデルではないかと言われています。
品詞分解
※名詞は省略しています。
■むかし、武蔵なる男、京なる女のもとに、「聞ゆれば恥づかし。聞えねば苦し。」と書きて、
昔、 | ー |
武蔵 | ー |
なる | 断定の助動詞「なり」の連体形 |
をとこ、 | ー |
京 | ー |
なる | 断定の助動詞「なり」の連体形 |
女 | ー |
の | 格助詞 |
もと | ー |
に、 | 格助詞 |
「聞こゆれ | ヤ行下二段活用「きこゆ」の已然形 |
ば | 接続助詞 |
恥づかし。 | シク活用の形容詞「はづかし」の終止形 |
聞こえ | ヤ行下二段活用「きこゆ」の未然形 |
ね | 打消の助動詞「ず」の已然形 |
ば | 接続助詞 |
苦し。」 | シク活用の形容詞「くるし」の終止形 |
と | 格助詞 |
書き | カ行四段活用「かく」の連用形 |
て、 | 接続助詞 |
■うはがきに、「むさしあぶみ。」と書きて、おこせてのち、音もせずなりにければ、京より、女、
うはがき | ー |
に、 | 格助詞 |
「むさしあぶみ。」 | ー |
と | 格助詞 |
書き | カ行四段活用「かく」の連用形 |
て、 | 接続助詞 |
おこせ | サ行下二段活用「おこす」の連用形 |
て | 接続助詞 |
のち、 | ー |
おと | ー |
も | 係助詞 |
せ | サ行変格活用「す」の未然形 |
ず | 打消の助動詞「ず」の連用形 |
なり | ラ行四段活用「なり」の連用形 |
に | 完了の助動詞「ぬ」の連用形 |
けれ | 過去の助動詞「けり」の已然形 |
ば、 | 接続助詞 |
京 | ー |
より | 格助詞 |
女、 | ー |