『春暁(春眠暁を覚えず)』
ここでは、中国の詩人、
孟浩然がよんだ句「
春暁」の原文(白文)、書き下し文、現代語訳・口語訳、文法解説を記しています。
原文(白文)
※左から右に読んでください。
春 眠 不 覚 暁
処 処 聞 啼 鳥
夜 来 風 雨 声
花 落 知 多 少
書き下し文
春 眠 不 覚 暁
春眠暁を覚えず
しゅんみんあかつきをおぼえず
処 処 聞 啼 鳥
処処啼鳥を聞く
しょしょていちょうをきく
夜 来 風 雨 声
夜来風雨の声
やらいふううのこえ
花 落 知 多 少
花落つること知る多少
はなおつることしるたしょう
現代語訳(口語訳)
春 眠 不 覚 暁
春の眠りは心地がよく、夜が明けるのも気づかないほどです。
処 処 聞 啼 鳥
あちらこちらから鳥のさえずりが聞こえてきます。
夜 来 風 雨 声
そういえば昨夜は風雨の音がしていたな。
花 落 知 多 少
いったいどれほどの花が散ったことでしょうか。
文法解説
■形式:五言絶句
4つの句からなる詩を
絶句(ぜっく)といい、8つの句からなる詩を
律詩(りっし)といいます。例えば、「春眠不覚暁」を1句と考えます。春暁は4つの句からなるので絶句です。
また、絶句のうち1つの句が5文字からなるものを
五言絶句(ごごんぜっく)といい、1つの句が7字からなるもの
七言絶句(しちごんぜっく)といいます。
以上から、春暁は「
五言絶句」となります。
■押韻:暁・鳥・少
押韻(おういん)とは、漢詩を読んだ時に一定のリズムが出るように、同じ響きの言葉を句の最後に置くことです。例えばこの春暁では、
暁(gyou)、鳥(chou)、少(shou)
が同じ響きの言葉となります。押韻にはルールがあります。
五言絶句では、原則として第2句と第4句に同じ響きの言葉が置かれます。この春暁は例外で、第1句、第2句そして第4句が押韻となっているので注意しましょう。
■対句:なし
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