随筆とは
エッセーとも呼ばれる随筆は、
筆者が見聞き、体験をしたことを通じて感じたことを記した文章のことです。考えをただツラツラと書いたものなので、評論文のようにかっちりとしたものではなく、
個人的な考えや感じたことが自由に書かれています。
例えば
吉田兼好の
徒然草の冒頭です。
「
つれづれなるまゝに、日暮らし、硯にむかひて、心に移りゆくよしなし事を、そこはかとなく書きつくれば、あやしうこそものぐるほしけれ。」
現代語訳すると、「
手持ち無沙汰なので、一日中、硯を前にして心に浮かんでは消え、浮かんでは消えていくことをなんとなく書きつづっていると、気が滅入ってしまいそうになる。」といった感じでしょうか。
このように、自分の感じたことを気ままに書いているのです。
何故そのように思うのかを理由をつけて説明しようとするのが評論文ですが、これは違いますよね。
清少納言の
枕草子、
鴨長明の
方丈記、そして
吉田兼好の
徒然草、この3つは日本文学史の三大随筆と呼ばれています。