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古文単語「たがふ/違ふ」の意味・解説【ハ行四段活用/ハ行下二段活用】

著者名: 走るメロス
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たがふ/違ふ

このテキストでは、古文単語「たがふ/違ふ」の意味、活用、解説とその使用例を記している。

※たがふ/違ふには、
①ハ行四段活用
②ハ行下二段活用
の用法がある。
①ハ行四段活用

未然形たがは
連用形たがひ
終止形たがふ
連体形たがふ
已然形たがへ
命令形たがへ


意味1:自動詞

(予測や希望と)
食い違う、一致しない

[出典]蓬莱の玉の枝 竹取物語
「かぐや姫のたまふやうに違はず作りいでつ。」

[訳]:かぐや姫がおっしゃるように食い違わずに作りあげました。


意味2:自動詞

背く、さからう、気持ちに添わなくなる

[出典]いでや、この世に生まれては 徒然草
「増賀聖の言ひけむやうに、名聞苦るしく、仏の御教へに違ふらむとぞおぼゆる。」

[訳]:増賀聖が言ったということですが、世間的な名声(に執着すること)はつらく、仏の教えに背いていると思えます。


意味3:自動詞

変わる、いつもと異なる状態になる

[出典]:若菜下 源氏物語
「いといと恥づかしきに、顔の色違ふらむ...」

[訳]:とても気がひけるので、顔の色がいつもと異なっているのだろう...




②ハ行下二段活用

未然形たがへ
連用形たがへ
終止形たがふ
連体形たがふる
已然形たがふれ
命令形たがへよ


意味1:他動詞

(予測や希望と)
異なるようにする、食い違わせる、背く

[出典]:桐壷 源氏物語
「ただ、かの遺言を違へじとばかりに、出だし立てはべりしを...」

[訳]:ただ、あの(亡くなった大納言の)遺言に背くまいというだけで、(娘を宮仕えに)出しましたのに...


意味2:他動詞

間違える

[出典]競べ弓・弓争ひ 大鏡
「朝廷ざまの公事・作法ばかりにはあるべきほどにふるまひ、時違ふことなく勤めさせ給ひて...」

[訳]:朝廷での行事や儀式だけは身分相応に振るまい、時間を間違えることなくお勤めになられましたが...




意味3:他動詞

方違えする

[出典]:帚木 源氏物語
「二条院にも同じ筋にて、いづくにか違へむ。」

[訳]:二条院も同じ方角なので、どちらに方違えしようか。

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全訳読解古語辞典 第四版 三省堂
ベネッセ全訳古語辞典 改訂版 Benesse

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