うちいる/打ち入る
このテキストでは、古文単語「
うちいる/打ち入る」の意味、活用、解説とその使用例を記している。
※「うちいる」には、
①ラ行四段活用
②ラ行下二段活用
の用法がある。
①ラ行四段活用
未然形 | うちいら |
連用形 | うちいり |
終止形 | うちいる |
連体形 | うちいる |
已然形 | うちいれ |
命令形 | うちいれ |
■意味:自動詞
(敵陣などに)
攻め入る、勢い良く入る。
[出典]:泊瀬六代 平家物語
「物具したる者ども打ち入るを見て、後ろより落ちにけり。」
[訳]:武装した者たちが攻め入るのを見て、後方から逃げました。
②ラ行下二段活用
未然形 | うちいれ |
連用形 | うちいれ |
終止形 | うちいる |
連体形 | うちいるる |
已然形 | うちいるれ |
命令形 | うちいれよ |
■意味1:他動詞
入れる、納める。
[出典]:
竹取物語
「...とて、手に
うち入れて家へ持ちて来ぬ。」
[訳]:...と言って、手のひらに
いれて、家へ持ってきました。
■意味2:他動詞
(賭博などに金品を)
つぎ込む。
[出典]:ばくちの負けきはまりて 徒然草
「ばくちの負けきはまりて、残りなく打ち入れんとせんにあひては、打つべからず。」
[訳]:ばくちで負け込んで、残りもなく(手持ちのすべてを)つぎこもうとする人に出会ったら、打ってはならない。