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蜻蛉日記原文全集「明くれば御禊のいそぎ近くなりぬ」

著者名: 古典愛好家
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蜻蛉日記

明くれば御禊のいそぎ近くなりぬ

明くれば、御禊(ごけい)のいそぎ近くなりぬ。

「ここにし給ふべきこと、それそれ」


とあれば、

「いかがは」


とて、しさはぐ。儀式の車にて引きつづけり。下仕(しもづかへ)、手振などが具しいけば、いろふしに出でたらん心ちしていまめかし。

月立ちては

「大嘗会(だいじょうえ)のけみや」


としさわぎ、われも物見のいそぎなどしつるほどに、つごもりにまたいそぎなどすめり。


かく年月はつもれど思ふやうにもあらぬ身をしなげけば、声あらたまるもよろこぼしからず、猶ものはかなきを思へば、あるかなきかの心ちするかげろふの日記といふべし。



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・蜻蛉日記原文全集「明くれば御禊のいそぎ近くなりぬ」

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長谷川 政春,伊藤 博,今西 裕一郎,吉岡 曠 1989年「新日本古典文学大系 土佐日記 蜻蛉日記 紫式部日記 更級日記」岩波書店
The University of Virginia Library Electronic Text Center and the University of Pittsburgh East Asian Library http://etext.lib.virginia.edu/japanese/

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