「竹取物語冒頭」
このテキストでは、竹取物語の冒頭部分の「この児養ふほどに、すくすくと~」から始まる部分の品詞分解を記しています。書籍によっては、「かぐや姫の生い立ち」や「なよ竹のかぐや姫」、「かぐや姫の成長」などと題するものもあるようです。
※前回のテキスト:
「今は昔、竹取の翁といふものありけり〜」の品詞分解
※現代語訳:
「この児養ふほどに、すくすくと〜」の現代語訳と解説
※竹取物語は、平安時代初期に成立したとされる物語です。正確な成立年や作者は未詳です。
品詞分解
※名詞は省略しています。
■この児、養ふほどに、すくすくと大きになりまさる。三月ばかりになるほどに、よきほどなる人になりぬれば、髪上げなどとかくして、髪上げさせ、裳着す。
こ | 代名詞 |
の | 格助詞 |
児、 | ー |
養ふ | ハ行四段活用・連体形 |
ほど | ー |
に、 | 格助詞 |
すくすくと | 副詞 |
大きに | 形容動詞・ナリ活用・連用形 |
なりまさる。 | ラ行四段活用・終止形 |
三月 | ー |
ばかり | 副助詞 |
に | 格助詞 |
なる | ラ行四段活用・連体形 |
ほど | ー |
に、 | 格助詞 |
よき | 形容詞・ク活用・連体形 |
ほど | ー |
なる | 断定の助動詞・連体形 |
人 | ー |
に | 格助詞 |
なり | ラ行四段活用・連用形 |
ぬれ | 完了の助動詞・已然形 |
ば、 | 接続助詞 |
髪上げ | ー |
など | 副助詞 |
とかく | 副詞 |
し | サ行変格活用・連用形 |
て、 | 接続助詞 |
髪 | ー |
上げ | ガ行下二段活用・未然形 |
させ、 | 使役の助動詞・連用形 |
裳 | ー |
着す。 | サ行下二段活用・終止形 |
■帳のうちよりも出ださず、いつき養ふ。この児のかたちけうらなること世になく、屋のうちは暗き所なく光り満ちたり。
帳 | ー |
の | 格助詞 |
うち | ー |
より | 格助詞 |
も | 係助詞 |
出ださ | サ行四段活用・未然形 |
ず、 | 打消の助動詞・連用形 |
いつき | カ行四段活用・連用形 |
養ふ。 | ハ行四段活用・終止形 |
こ | 代名詞 |
の | 格助詞 |
児 | ー |
の | 格助詞 |
かたち | ー |
けうらなる | 形容動詞・ナリ活用・連体形 |
こと | ー |
世 | ー |
に | 格助詞 |
なく、 | ク活用・連用形 |
屋 | ー |
の | 格助詞 |
うち | ー |
は | 係助詞 |
暗き | 形容詞・ク活用・連体形 |
所 | ー |
なく | 形容詞・ク活用・連体形 |
光 | ー |
満ち | タ行四段活用・連用形 |
たり。 | 存続の助動詞・終止形 |
■翁、心地悪しく、苦しきときも、この子を見れば、苦しきこともやみぬ。腹立たしきことも慰みけり。
翁、 | ー |
心地 | ー |
あしく、 | 形容詞・シク活用・連用形 |
苦しき | 形容詞・シク活用・連体形 |
とき | ー |
も、 | 係助詞 |
こ | 代名詞 |
の | 格助詞 |
子 | ー |
を | 格助詞 |
見れ | マ行上一段活用・已然形 |
ば、 | 接続助詞 |
苦しき | 形容詞・シク活用・連体形 |
こと | ー |
も | 係助詞 |
やみ | マ行四段活用・連用形 |
ぬ。 | 完了の助動詞・連体形 |
腹立たしき | 形容詞・シク活用・連体形 |
こと | ー |
も | 係助詞 |
慰み | マ行四段活用・連用形 |
けり。 | 過去の助動詞・終止形 |