テストに役立つ!更級日記『物語・源氏の五十余巻』の品詞分解
このテキストでは、
更級日記の一節『
物語』の「
かくのみ思ひくんじたるを」から始まる部分の品詞分解を記しています。書籍によっては「
源氏の五十余巻」と題されるものもあるようです。
現代語訳
・物語「かくのみ思ひくんじたるを〜」の現代語訳
・物語「はしるはしる、わづかに見つつ〜」の現代語訳の現代語訳
更級日記とは
更級日記は平安中期に書かれた回想録です。作者である菅原孝標女の人生の回想を通して、平安時代の人々の動向をうかがい知れる文学作品です。
品詞分解
※名詞は省略しています。
■かくのみ思ひくんじたるを、心も慰めむと、心苦しがりて、母、物語などもとめて見せ給ふに、げにおのづから慰みゆく。
かく | 副詞 |
のみ | 副助詞 |
思ひくんじ | サ行変格活用「おもひくんず」連用形 |
たる | 存続の助動詞「たり」の連体形 |
を、 | 格助詞 |
心 | ー |
も | 係助詞 |
慰め | マ行下二段活用「なぐさむ」の未然形 |
む | 意志の助動詞「む」終止形 |
と、 | 格助詞 |
心苦しがり | ラ行四段活用「こころぐるしがる」の連用形 |
て、 | 接続助詞 |
母、 | ー |
物語 | ー |
など | 副助詞 |
もとめ | マ行下二段活用「もとむ」の連用形 |
て | 接続助詞 |
見せ | サ行下二段活用「みす」の連用形 |
給ふ | 補助動詞・ハ行四段活用「たまふ」の連体形 |
に、 | 接続助詞 |
げに | 副詞 |
おのづから | 副詞 |
慰み | マ行四段活用「なぐさむ」の連用形 |
ゆく。 | 補助動詞・カ行四段活用「ゆく」終止形 |
■紫のゆかりを見て、続きの見まほしくおぼゆれど、人語らひなどもえせず、誰もいまだ都なれぬほどにて、え見つけず。
紫 | ー |
の | 格助詞 |
ゆかり | ー |
を | 格助詞 |
見 | マ行上一段活用・連用形 |
て、 | 接続助詞 |
続き | ー |
の | 格助詞 |
見 | マ行上一段活用・未然形 |
まほしく | 希望の助動詞・連用形 |
おぼゆれ | ヤ行下二段活用・已然形 |
ど、 | 接続助詞 |
人語らひ | ー |
など | 副助詞 |
も | 係助詞 |
え | 副詞 |
せ | サ行変格活用・未然形 |
ず、 | 打消の助動詞・連用形 |
誰 | 代名詞 |
も | 係助詞 |
いまだ | 副詞 |
都 | ー |
なれ | ラ行下二段活用・未然形 |
ぬ | 打消の助動詞・連体形 |
ほど | ー |
に | 断定の助動詞・連用形 |
て、 | 接続助詞 |
え | 副詞 |
見つけ | カ行下二段活用・未然形 |
ず。 | 打消の助動詞・終止形 |
■いみじく心もとなく、ゆかしくおぼゆるままに、「この源氏の物語、一の巻よりしてみな見せ給へ。」と、心のうちに祈る。
いみじく | 形容詞・シク活用・連用形 |
心もとなく、 | 形容詞・ク活用・連用形 |
ゆかしく | 形容詞・シク活用・連用形 |
おぼゆる | ヤ行下二段活用・連体形 |
まま | ー |
に、 | 格助詞 |
「こ | 代名詞 |
の | 格助詞 |
源氏の物語、 | ー |
一の巻 | ー |
より | 格助詞 |
し | サ行変格活用・連用形 |
て | 接続助詞 |
みな | ー |
見せ | サ行下二段活用・連用形 |
給へ。」 | 補助動詞・ハ行四段活用・命令形 |
と、 | 格助詞 |
心 | ー |
の | 格助詞 |
うち | ー |
に | 格助詞 |
祈る。 | ラ行四段活用・終止形 |
■親の太秦にこもり給へるにも、ことごとなくこのことを申して、「出でむままにこの物語見果てむ。」と思へど見えず。
親 | ー |
の | 格助詞 |
太秦 | ー |
に | 格助詞 |
こもり | ラ行四段活用・連用形 |
給へ | 補助動詞・ハ行四段活用・連用形 |
る | 存続の助動詞・連体形 |
に | 格助詞 |
も、 | 係助詞 |
ことごと | ー |
なく | 形容詞・ク活用・連用形 |
こ | 代名詞 |
の | 格助詞 |
こと | ー |
を | 格助詞 |
申し | サ行四段活用・連用形 |
て、 | 接続助詞 |
「出で | ダ行下二段活用・未然形 |
む | 婉曲の助動詞・連体形 |
まま | ー |
に | 格助詞 |
こ | 代名詞 |
の | 格助詞 |
物語 | ー |
見果て | タ行下二段活用・未然形 |
む。」 | 意志の助動詞・終止形 |
と | 格助詞 |
思へ | ハ行四段活用・已然形 |
ど、 | 接続助詞 |
見え | ヤ行下二段活用・未然形 |
ず。 | 打消の助動詞・終止形 |