はじめに
このテキストでは、
徒然草の一節「
雪のおもしろう降りたりし朝」(雪のおもしろう降りたりし朝、人のがり言ふべき事ありて〜)の原文、現代語訳・口語訳とその解説を記しています。
※徒然草は
兼好法師によって書かれたとされる随筆です。
清少納言の『
枕草子』、
鴨長明の『
方丈記』と並んで「
古典日本三大随筆」と言われています。
原文
雪の
(※1)おもしろう降りたりし
朝、人の
(※2)がり言ふべき事ありて、
(※3)文をやるとて、雪のこと何とも言はざりし返事(かへりごと)に、
と言ひたりしこそ、
をかしかりしか。今は
亡き人なれば、
かばかりの事も忘れ難し。
【姶良】あなたは読める?難読地名の読み方と由来
現代語訳・口語訳
雪が趣深く降り積もった朝に、ある人のもとへ言わなければならないことがあって、手紙をやろうと思って、雪のことに何も言及しなかった(手紙の)返事に、
「この雪をどのように思うかと一言もおっしゃらない程度の、趣を理解しないような人のおっしゃることを、どうして聞き入れることができるましょうか、いやできません。(手紙に、雪に関する記述がなく)本当に残念なお心です。」
と言ってよこしたことは、とても興味深いことであった。(その人は)今は亡くなっている人なので、この程度のことでも忘れがたい。
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