「人にも知らせさせ給はで」の現代語訳・口語訳・意味・品詞分解・敬意の向き
原文
寛和二年丙戌六月二十二日の夜、
あさましく候ひしことは、人にも
知らせさせ給はで、
みそかに花山寺に
おはしまして...
現代語訳・口語訳・意味
寛和二年丙戌の年の六月二十二日の夜に、驚きあきれましたことは、(花山天皇は)
他の人にはお知らせにならずに、ひそかに花山寺においでになって
品詞分解
| 単語 | 品詞 | 敬意の向き |
| 人 | ー | ー |
| に | 格助詞 | ー |
| も | 係助詞 | ー |
| 知ら | ラ行四段活用「しる」の未然形 | ー |
| せ | 使役の助動詞「す」の未然形 | ー |
| させ | 尊敬の助動詞「さす」の連用形 | 語り手→花山天皇 |
| 給は | 尊敬の補助動詞・ハ行四段活用「たまふ」の未然形 | 語り手→花山天皇 |
| で、 | 接続助詞 | ー |
※「させ給は」で最高敬語。
主な出典
【大鏡「花山院の出家」】
永観二年八月二十八日、位につかせ給ふ。御年十七。寛和二年丙戌六月二十二日の夜、あさましく候ひしことは、人にも知らせさせ給はで、みそかに花山寺におはしまして、御出家入道せさせ給へりしこそ。御年十九。世を保たせ給ふこと二年。そののち、二十二年おはしましき。