新規登録 ログイン

9_80 ことば / 単語

古文単語「しる/知る」の意味・解説【ラ行四段活用・ラ行下二段活用】

著者名: 走るメロス
Text_level_1
マイリストに追加
「しる/知る」の意味・活用・使用例【ラ行四段活用・ラ行下二段活用】

このテキストでは、古文単語「しる/知る」の意味、活用、解説とその使用例を記しています。

「しる」には
①「知る」
②「治る/領る
③「痴る

などの用法があり、それぞれ意味が異なる。ここでは「知る」を扱う。

※参照:治る/領る/痴るの用法

知る

「知る」には、ラ行四段活用とラ行下二段活用の用法がある。
ラ行四段活用

未然形しら
連用形しり
終止形しる
連体形しる
已然形しれ
命令形しれ


意味1:他動詞

理解する、わきまえる、わかる

[出典]古今和歌集 小野小町
「思ひつつ寝ればや人の見えつらむ夢と知りせば覚めざらましを」

[訳]:思いながら眠りについたので、(あの人が)夢に現れたのだろうか。もし夢とわかっていたなら(夢から)覚めなかったろうに。




意味2:他動詞

認める、見分ける、認識する

[出典]猫また 徒然草
「飼ひける犬の、暗けれど、主を知りて、飛び付きたりけるとぞ。」

[訳]:飼っていた犬が、暗かったけれども、主人(が帰ってきたの)を見分けて、飛びついたということでした。


[出典]絵仏師良秀 宇治拾遺物語
「衣着ぬ妻子なども、さながら内にありけり。それも知らず、ただ逃げ出でたるをことにして...」

[訳]:妻子も、そのまま家の中にいました。それを認識することなく、ただ(自分が)逃げ出したことをよしとして...


意味3:他動詞

経験する

[出典]あだし野の露消ゆるときなく 徒然草
「かげろふの夕べを待ち、夏の蝉の春秋を知らぬもあるぞかし。」

[訳]:蜻蛉が(朝に生まれて)夕方を待たずに(死に)、夏の蝉で春秋を経験しない(で死ぬ)ものもあるのだ。




意味4:他動詞

付き合う、恋仲になる

[出典]馬のはなむけ・門出 土佐日記
「かれこれ、知る知らぬ、送りす。」

[訳]:あの人やこの人、付き合いのある人も付き合いない人も見送りをする。


[出典]:源氏物語 紫式部
「初めより、知り初めたりし方に渡り給はむ...」

[訳]:初めから、恋仲になりはじめた方のところへ移動なさるだろう...


意味5:他動詞

世話をする

[出典]:紫式部 源氏物語
「また、知る人もなくて漂はむことのあはれに...」

[訳]世話をする人もなく寄り所のない暮らしをすることが気の毒で...




意味6:他動詞

〜できる

※この用法の場合、下に打消の語を伴って使われる。

[出典]:万葉集 高橋虫麻呂
「言ひも得ず名付けも知らずくすしくもいます神かも...」

[訳]:(富士山は)言い表すこともできず、名付けることもできず、神秘的でいらっしゃる神であることよ...


ラ行下二段活用

未然形しれ
連用形しれ
終止形しる
連体形しるる
已然形しるれ
命令形しれよ


意味1:自動詞

(世間の人に)
知られる

[出典]通ひ路の関守 伊勢物語
「人知れぬわが通ひ路の関守は宵々ごとにうちも寝ななむ

[訳]:人に知られることなく私が通う道の番人は、毎晩毎晩眠っていてほしいものです


※参照:治る/領る/痴るの用法
Related_title
もっと見る 

Keyword_title

Reference_title
ベネッセ全訳古語辞典 改訂版 Benesse
全訳読解古語辞典 第四版 三省堂

この科目でよく読まれている関連書籍

このテキストを評価してください。

※テキストの内容に関しては、ご自身の責任のもとご判断頂きますようお願い致します。

 

テキストの詳細
 閲覧数 65,949 pt 
 役に立った数 12 pt 
 う〜ん数 6 pt 
 マイリスト数 0 pt 

知りたいことを検索!

まとめ
このテキストのまとめは存在しません。