こころばへ/心延へ
このテキストでは、古文単語「
こころばへ/心延へ」の意味、解説とその使用例を記しています。
名詞
■意味1
心の様子、気立て。
[出典]:
かぐや姫の嘆き 竹取物語
「
心ばへなどあてやかにうつくしかりつることを見ならひて、恋しからむことの堪へがたく、湯水飲まれず、同じ心に嘆かしがりけり。 」
[訳]:(かぐや姫が)
気立てなどが上品でかわいらしい様子であったのを見慣れていたので、その姿を(かぐや姫が帰ったあとに)恋しく思うことが堪えがたく、湯水も飲むことができずに、おじいさん、おばあさんと同じように嘆き悲しんだ。
■意味2
心遣い、気配り。
[出典]:葵 源氏物語
「御供の人々うちかしこまり、心ばへありつつ渡るを...」
[訳]:お供の人々は威儀を正し、心遣いをしながら通り過ぎるので...
■意味3
風情、趣向。
[出典]:鳥は 枕草子
「卯の花、花橘などにやどりをして、はた隠れたるも、ねたげなる心ばへなり。 」
[訳]:卯の花や花橘などにとまって、半ば隠れている様子も、心憎い風情である。